元マイクロソフトのエンジニアが、ギフトカードを含む「通貨保存価値(CSV)」で、元雇用主から1000万ドル以上のデジタル資産を盗んだとして懲役9年の判決が下された。

ワシントン在住26歳のウクライナ人であるヴォロディミール・クバシュク氏は、同僚のアカウントを利用してCSVを盗み、販売。責任が同僚にあるように見せかけた。同氏は2020年2月に6つのマネーロンダリングと2つの虚偽申告を含む18の罪で有罪判決を受けている。

クバシュク氏はビットコインのミキシングサービスを利用して資金の出所解読を困難にした。内国歳入庁(IRS)に伝えられたところによると、クバシュク氏はアカウントを通じて280万ドル(約2億9300万円)相当のビットコインが親族から送られたと主張。さらに偽の確定申告を行なった。米司法庁は以下のように伝えている。

「クバシュクの違法行為の7ヶ月間、約280万ドル分のビットコインが同氏の銀行口座と投資口座に送金された。その後ビットコインが親戚からの贈り物であると主張し、偽の申告書を提出した」

クバシュク氏は2016年8月から2018年6月までマイクロソフトに勤務していた。

IRSのライアン・コーナー特別捜査官によると、今回の判決は「税金に関連する国内初のビットコイン事件」だという。コーナー氏は未申告の仮想通貨取引を特定するために、当局の犯罪捜査部門が高度化していることの表れであるとしている。

「簡潔に言って、今回の判決はインターネットを介してお金を盗むことができないことを証明し、ビットコインは犯罪を隠すことはできないということだ」

米国検事局のブライアン・モラン氏は「雇用主からお金を盗むことは犯罪で、さらに同僚に責任があるように見せかけることは、被害を拡大させる要因だ」と話した。

クバシュク氏は盗んだ資金で160万ドルで住居と16万ドルのテスラ車を購入していた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン