ブロックストリームの最高経営責任者(CEO)アダム・バック氏は、マイケル・セイラー氏率いるストラテジー(ティッカー:MSTR)の株式プレミアムについて、同社が1株あたりのビットコインを短期間で倍増させている事実を踏まえれば「合理的な範囲内だ」と述べた。

「マイクロストラテジーの場合、それは16〜18か月だった」とバック氏は、6月22日(土)に開催されたBTCプラハで、ビットコインポッドキャスターのステファン・リヴェラ氏との対談で語った。同氏は、同社が通常どのくらいの期間で1株あたりのビットコインを倍増させているかを示した上で、「株価は2倍の倍率で取引されることがある」とも指摘した。

MSTRの実績はプレミアムを正当化する=バック氏

「このプレミアムは決して不合理とは言えない」とバック氏は述べた。さらに、もしストラテジーが同じペースで1株あたりのビットコインを増やし続けた場合、およそ1年半後には、投資家は市場純資産価値(mNAV)と同等の水準に到達すると説明した。つまり、株価が保有するビットコインの価値と釣り合うということになる。

「つまり、リスクはむしろ軽減されている」と同氏は述べた。「この水準にはハードカレンシー(堅固な価値基盤)がある」とも付け加えた。

MSTR Trackerによると、MSTRの純資産価値プレミアムは、現在ベーシック株ベースで約1.7倍、希薄化後の株ベースでは約1.9倍に達している。ストラテジーは、ATM(アット・ザ・マーケット)株式売却や転換社債などの金融手法を用いてレバレッジをかけ、ビットコインの保有量を拡大している。

Saylor Trackerのデータによると、記事公開時点でストラテジーは59万2,100BTCを保有しており、総額はおよそ608億9,000万ドルに相当する。

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MSTR is down 7.45% over the past month. Source: Google Finance

グーグルファイナンスによると、MSTRの株価は金曜日の取引終了時点で369.70ドル。過去30日間で7.45%下落している。

バック氏は再度、ビットコイン準備企業に投資する際には、そのプレミアムが「合理的かどうか」を判断することが重要だと強調した。

「プレミアムをどう考えるかのひとつの方法は、それを取り戻すのに何か月かかるか、という見方だ」とバック氏は付け加えた。

mNAVが高いと、投資家のリスクはより大きくなると同氏は述べた。「mNAVが高水準にある場合、それはやや投機的になり得る。ただし、そうした企業は高いリターンを得ていることも多い」とした。

mNAVの大きな変動は「神経を使う体験」

バック氏は、日本の投資企業メタプラネットについて、mNAVの変動がより激しいものの、これまでのところ毎回回復してきたと述べた。

「メタプラネットのmNAVはだいたい10倍から5倍の間で変動している。もし10倍で保有していて、そこから5倍に急落すれば、それは神経をすり減らす体験になるだろう」と同氏は述べた。

「だが、これまではその後に回復してきた傾向がある」とも付け加えた。

一方、メタプラネットは6月16日の最新のビットコイン購入で1,112BTCを取得し、総保有量を1万BTCとした。これにより、同社はコインベースを抜いてビットコインを保有する上場企業として7番目の規模となった。

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