最大のビットコイン(BTC)保有企業ストラテジーはビットコイン購入時に市場価格へ影響を与えないよう慎重に取引していると、同社のビットコイントレジャリー戦略を統括する幹部が明らかにした。
ストラテジーの企業財務担当兼IR責任者であるシリシュ・ジャジョディア氏は、ポッドキャスト番組「コイン・ストーリーズ」に出演し、「我々のビットコインの買い方は、価格を動かすものではない」と語った。
市場参加者の間では、ストラテジーによる巨額のビットコイン購入が価格を押し上げているとの憶測が根強い。しかし、ジャジョディア氏は、同社は市場への影響を避けるため、BTC購入を注意深く構成していると強調した。
ストラテジーは2020年にビットコインの買い増しを開始し、記事執筆時点で62万9376BTC(約708億5000万ドル相当)を保有している。
「我々は市場流動性の一定割合に収まる形で購入を管理している。価格を食い潰すような買い方はしていない」とジャジョディア氏は説明した。大口取引を市場価格に影響を与えずに処理する手段としては、取引所の板ではなくプライベートに売買できるOTC(店頭取引)デスクの活用が挙げられる。
ストラテジーの購入に市場が注目
ジャジョディア氏の主張通り、ストラテジーによる購入直後のビットコインの値動きは一貫していない。上昇するケースもあれば下落するケースもある。
2024年11月25日、同社は11月18日から24日の間に約5万5000BTCを総額54億ドルで購入したと発表した。1BTCあたりの平均購入価格は9万7862ドルだった。その数週間後の12月17日には、トランプ氏の米国大統領選勝利を受けた強気市場の中で、ビットコインは史上最高値の10万6000ドルを突破した。
一方、2024年7月29日に24億6000万ドルで2万1021BTCを購入した際には、4日後に価格が約4%下落し、8月2日には11万3320ドルまで下落した。
それでもトレーダーたちは、ストラテジー創業者のマイケル・セイラー氏がXにビットコインの価格チャートを投稿すると、大規模購入の発表を期待して沸き立つ。
ストラテジーは「24時間体制で購入中」
ジャジョディア氏によれば、同社は市場状況に応じて購入タイミングを調整するものの、常に取引に関与している。「実際のところ、我々は24時間体制でビットコインを買っている。ほぼ毎日、毎時間、毎秒、市場に入っている」と語った。
「価格が下がれば、より積極的に動く機会と捉える」とも述べた。
セイラー氏自身も、約450万人のフォロワーに向けて「価格は気にしない、ただ積み増すだけ」と繰り返し発信してきた。2024年5月22日には、ビットコインが直近高値の11万2000ドルから下落した際に、「失ってもいいお金でしかビットコインを買わない」と投稿した。
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