FTXユーザーのグループが、メルセデスF1チームとメジャーリーグベースボール(MLB)が、仮想通貨取引所FTXとのプロモーション契約を通じて詐欺行為を助長したと訴えている。
原告であるFTXユーザーたちは11月27日、フロリダ地区裁判所で集団訴訟を起こし、これらの企業が「FTXグループの巨額のグローバル詐欺行為をほう助し、あるいは積極的に参加している」と非難し、未登録の有価証券をプロモーションしたと主張している。
2021年、メルセデスF1チームはFTXとプロモーション契約を締結し、車両やユニフォーム、帽子、その他の素材に同取引所のロゴを掲げた。同年、MLBも同様の契約を結び、審判のユニフォームにFTXのロゴを付けることになった。これはプロスポーツリーグとしては初の取り組みだった。
「しかし、パートナーシップの中心であり最も重要な特徴は、すべてのMLB審判のユニフォームにFTX.USのパッチが含まれていたことだ」と集団訴訟の申し立て書には記されている。「FTX.USのパッチは、1800年代に遡るMLBの歴史上初めて、スポンサーブランドのロゴが審判のユニフォームに登場した」。
The rare double logo shot👀 https://t.co/OLE7P8iY1N
— FTX (@FTX_Official) July 18, 2021
メルセデスF1に対する訴えも同様で、チームがその車両、商品、マーケティングにおいてFTXのロゴを目立つ場所につけていた。FTXはまた、メルセデスF1とそのドライバーを「定期的に応援し、祝福していた」と訴訟では指摘されており、これによりメルセデスF1のファンとの「信頼の外観」が作り上げられたという。「この策略は、メルセデスF1がFTXのプロモーションを行っていなければ、これほど効果的ではなかっただろう」と訴状は述べている。
The rare double logo shot👀 https://t.co/OLE7P8iY1N
— FTX (@FTX_Official) July 18, 2021
同じFTXユーザーのグループは、元スポーツスターのシャキール・オニール氏やトム・ブレイディ氏を含む、同取引所を宣伝した著名人に対しても、同様の集団訴訟を行っている。訴訟に名前が挙がっている多くの著名人はFTXに資金を預けることを奨励していなかったと主張し、訴訟の却下を求めている。少なくとも3人—プロアメリカンフットボール選手のトレバー・ローレンス氏、YouTuberのケビン・パフラス氏、トム・ナッシュ氏—は、訴訟で和解をしている。
契約を結んでから1年余り後の2022年11月、FTXが破産申請を行った直後に、MLBは同社との5年間のプロモーション契約を打ち切った。
メルセデスF1も同年、FTXとの契約を破棄し、そのロゴを車両や商品から取り除いた。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン