クリプトクオントのCEO兼アナリストであるキ・ヨンジュ氏は最近、「ミームコインは集合的無意識の典型である」と発言した。集合的無意識は、20世紀の心理学者カール・ユングが提唱した概念で、人類の文化を支える世代を超えて受け継がれる記憶や象徴を指す。
2月23日にXで投稿した2件のポストで、キ氏は動物やセレブをテーマにしたミームコインは集合的無意識の産物である一方、アルトコインは集合的意識の表れであると述べた。そして次のように続けた。
「動物ミームコインは、動物を崇拝するシャーマニズムを反映し、セレブコインは人間を崇拝する高次の宗教を体現している。人類の進化は、信念の共有によって駆動されてきた—崇拝、グループの形成、そして協力である。人々が信じられる何かを創り出すことができれば、仮想通貨業界の起業家として成功できる。」
A breakdown of where memecoins sit compared to altcoins in regard to human consciousness. Source: Ki Young Ju
キ氏の発言は、リブラ(LIBRA)トークンのスキャンダルによる市場の混乱の中で飛び出した。このスキャンダルにより、投資家は約1億700万ドルの損失を被り、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は弾劾の危機に直面。さらに、Meteoraの共同創業者であるベン・チャウ氏は辞任を余儀なくされた。
リブラの崩壊を受け、「フェアローンチ(公平な発行)」を掲げるトークンやミームコインの在り方に注目が集まった。多くの市場関係者は、今回の事件をミームコイン市場の終焉を決定づける出来事と捉え、規制の必要性を訴えている。
President Javier Milei of Argentina discusses Libra scandal in interview. Source: El Mundo
ミームコインの時代は終焉を迎えるのか?
リブラ崩壊後、ベンチャーキャピタリストのニック・カーター氏は、今回の事件がミームコインと一般投資家の関心の終焉を意味すると指摘した。
カーター氏によれば、ミームコインの最大の魅力は、インサイダーや初期投資家がいない状態で公正に市場に投入されることだった。しかし、今回の事件をきっかけに、投資家の関心は実用性のあるプロジェクトへとシフトするだろうと予測している。
「ミームコインは終わった。今後も新規発行は続くだろうし、中には成功するものもあるだろう。しかし、ミームコインのメタ(市場の流れ)は終わりを迎えた」とカーター氏は述べた。
Hayden Davis, one of the figures central to the Libra token launch, releases video statement following the implosion of the token. Source: Kelsier
GeckoTerminalのデータによると、2025年1月だけで60万以上のトークンが発行されており、その大半がミームコインだった。この過剰な発行による市場の希薄化が懸念されている。仮想通貨の種類が増えすぎた結果、投資家の関心が分散し、市場シェアの奪い合いが激化する可能性がある。
今後、ミームコイン市場は淘汰の波を迎え、より実用的なプロジェクトが求められる時代に移行していくかもしれない。