ミームコイン市場は、2024年11月のドナルド・トランプ氏の大統領選勝利後の上昇分をすべて失い、12月以降で時価総額が半減した。
コインマーケットキャップのデータによると、ミームコインの総時価総額は3月5日時点で540億ドルとなり、2024年12月5日の1240億ドルから56%減少した。
ミームコイン市場の下落要因
ミームコイン市場は、2024年12月8日に過去最高の1370億ドルに到達した後、徐々に下落。その後、2025年1月にトランプ氏およびファーストレディのメラニア氏がミームコインを発行したことで一時的に持ち直したものの、再び下落に転じた。
業界関係者の中には、この急落の要因として世界的な経済不安定、規制の欠如、インサイダー取引スキャンダルなどを指摘する声がある。
ミームコイン市場の時価総額の推移. Source: CoinMarketCap
主要ミームコインへの集約が進む可能性
ゼータ・マーケッツの共同創業者であるアンモル・シン氏は「ミームコインバブルは弾けた」と指摘。その背景には、トランプ政権の経済政策と外交政策が混在する不透明な状況があるという。
また、シン氏は著名人やSNSインフルエンサーの関与が増加している点にも言及。彼らは自身の影響力を使ってトークンを吊り上げた後、個人投資家に売り抜けることで利益を得ており、市場の信頼を大きく損なっていると指摘した。
「著名人、主要なオピニオンリーダー、インサイダーが影響力を利用してトークンを吊り上げ、個人投資家を巻き込んで利益を確定させるという露骨な搾取が起こっている。これにより、個人投資家の信頼が根本的に揺らいでいる」
シン氏は、大規模な売りが進んだ後、ミームコイン市場は主要銘柄に集約され、それ以外のコインは次第に市場から消えていく可能性が高いとの見解を示した。
ドージコインが市場をリード
シン氏は、今後市場で生き残る主要ミームコインとして、ドージコイン(DOGE)、ペペ(PEPE)、ボンク(BONK)、ドッグウィフハット(WIF)、そしてオフィシャル・トランプ(TRUMP)を挙げた。
「その他のミームコインはもはやトレーダーにとって魅力がなくなり、流動性は別の市場に移るだろう」とシン氏は指摘。今後、ミームコイン市場からの資金はパーペチュアル(永久先物)、スポット仮想通貨投資、法定通貨市場へと分散する可能性が高いと述べた。
The top seven memecoins by market capitalization as of March 5. Source: CoinMarketCap
シン氏は、投資家が新しいミームコインの上場に対して、より慎重になる可能性があるとも予測している。
3月5日時点で、ドージコインはミームコイン市場の中で最大のシェアを誇り、市場全体の53%を占めている。これは、トランプ氏のシニアアドバイザーであるイーロン・マスク氏のお気に入りのミームコインであることも影響している。
シバイヌ(SHIB)とペペ(PEPE)は、それぞれ時価総額77億ドル、29億ドルで市場2位・3位を維持している。
また、オフィシャル・トランプ(TRUMP)は、時価総額26億ドルで4位につけている。
一部の仮想通貨業界の著名人は、ミームコインが仮想通貨市場の未来になると考えている。例えば、トロン(TRON)の創業者であるジャスティン・サン氏は、ミームコインの将来性を強調しつつも、投資家に対してはDOGEのような確立されたミームコインに焦点を当てるよう呼びかけている。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。