ブロックチェーン分析企業バブルマップスによれば、米国のファーストレディ、メラニア・トランプ氏の名を冠したミームコイン「メラニア・ミーム(MELANIA)」を手がけるプロジェクトチームが、コミュニティファンドから3000万ドル相当のトークンを引き出し、売却を開始した。

バブルマップスは4月7日のX投稿で、5000万MELANIA(約3000万ドル相当)が「コミュニティファンドから移動され、チームによる説明もなく静かに売却されている」と述べた。

投稿によると、当該トークンはまず1つのウォレットに集められ、その後複数のアドレスに分散された。その一部として、300万ドル分が取引所に送金され、600万ドル規模の新規ポジションが2つ開設され、さらに50万ドル相当のMELANIAトークンが売却されたという。

「MELANIAのチームからは、この動きに関して一切説明がない。トークン移動についても、売却についても、沈黙を貫いている」とバブルマップスは付け加えている。

さらにバブルマップスは、MELANIAの供給量の92%が「チームウォレット」に集中していると指摘し、「被害はまだ終わっていない」と警鐘を鳴らしている。

MELANIA、ピークから96%超の暴落

MELANIAは2024年1月19日にローンチされた。これはドナルド・トランプ氏が自身のミームコインを発表した翌日であり、同氏が大統領に就任する予定日の前日にあたる。

しかし、トークン価格はその後大幅に下落し、1月に記録した最高値13ドル超から96%以上も下落。現在は0.51ドルで取引されており、過去24時間で7.5%超の下落となっている

バブルマップスは先月、MELANIAの共同制作者とされるヘイデン・デイビス氏が、片側流動性を通じて密かにMELANIAトークンを売却していたと指摘した

同氏はまた、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領と関連付けられたミームコイン「LIBRA」についても同様の手口で密かに売却していたとされており、トークン価格の急落とともに政治スキャンダルを引き起こしている。

ミームコイン市場全体にも減速の兆し

市場全体の下落を背景に、ミームコインへの関心は低下傾向にある。デューン・アナリティクスの3月のデータによれば、ソラナ基盤のミームコインをローンチできるプラットフォーム「Pump.fun」から誕生する新規トークン数は、1月の週あたり5400件から1500件へと、3分の1以下に落ち込んだ。

また、ソラナ上でローンチされた全体のトークン数も減少傾向にあり、SolScanによると、4月5日のローンチ数は3万1651件で、今年1月26日に記録されたピーク(9万5578件)の3分の1以下となっている。