マスターカードは、オーストラリア準備銀行(RBA)と共同で、異なるブロックチェーン上で中央銀行デジタル通貨(CBDC)をラッピングする実験を完了した。これは、ビットコイン(wBTC)やイーサリアム(wETH)などのラップト・コインに似た技術だ。
10月12日の発表によると、この実験はRBA、オーストラリアのデジタルファイナンス協同研究センター、CuscalとMintableが参加した。マスターカードによると、このソリューションは、オーストラリアドルのCBDC保有者が、イーサリアム上で取引されているノンファンジブルトークン(NFT)を購入できるようにしたという。
「このプロセスでは、RBAのCBDCパイロットプラットフォームで必要な量のCBDCを『ロック』し、イーサリアム上で同量のラップト・CBDCトークンを発行した」
このソリューションは、2023年6月に導入されたマスターカードのマルチトークン・ネットワークを利用して、支払い技術とブロックチェーンを統合。MintableのCEO兼創設者のザック・ブルックス氏は、「マスターカードと共に、デジタル通貨とNFTを簡単にリンクできるユースケースを特定した。これにより、詐欺や盗難が根絶され、文書や記録の紛失が終わり、新しい商取引の可能性が解き放たれる可能性がある」とコメントした。
RBAは以前、オーストラリアドルのCBDCは、法定通貨では代替できない複雑な支払いの取り決めや金融セクターでの革新を可能にする可能性があると述べた。しかし、利益を評価するための「さらなる研究」が必要であると指摘している。