20日に開催されたソフトバンクグループの株主総会で孫正義会長兼社長は、現状の仮想通貨に対して否定的な見解を示したものの、ブロックチェーン技術は使っていくという考えを明らかにした。
孫氏は、2人目の株主による仮想通貨の取り組みに関する質問に次のように答えた。
「ブロックチェーンを使った通貨は、実態よりも投機的な価値が先行している。」
ただ一方ブロックチェーンに関しては「まだ始まったばかりの技術」とし「ブロックチェーンなどを使った技術に取り組んでいる」と述べた。ソフトバンクは先月、ブロックチェーンを基盤とした高セキュリティの認証ソリューションを、米国のスタートアップ企業クラウド・マインズ・テクロノジーと共同開発したと発表した。
IT業界の大物による仮想通貨とブロックチェーンへの評価は様々で、5月に中国のEコマース巨大企業アリババを創業したジャック・マー氏は「ブロックチェーン技術はバブルではないが、ビットコインはバブル」だと発言。またマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏も5月にビットコインは「非常に愚かな投資であり、もしするなら空売りする」と述べた。アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏の直接的な見解は明らかになっていないが、アマゾンが支払い手段としてビットコインを受け入れるのではないかという噂が出ている。またブロックチェーンに関してアマゾンは、「サービスとしてのブロックチェーン」という部門を立ち上げ、すでにIBMやオラクルとの競争を開始している。
一方、フェイスブックのザッカーバーグ CEOは新年の抱負で「仮想通貨は権力を人々の手に戻す、フェイスブックでの活用方法探る」と述べ、ツイッターのジャック・ドーシーCEOは5月に、ビットコインが主流になるかどうかはわからないが仮想通貨が「インターネットのネイティブ通貨になる」という考えを示した。