マレーシアの国営電力会社テナガ・ナショナル(TNB)は、ビットコイン(BTC)マイナーらによる電気窃盗の被害が甚大になっていることを理由に、対策を強化する。8月15日に同国ニュースのエッジプロップが報じた。

マレーシアでのビットコインマニング事業者による配電盤の改ざんなどによる電気窃盗の被害は、今年6月時点で1億600万リンギット(約27億円)にも上っているという。同国におけるマイニング関連の電気窃盗はこれまでで437件となっており、そのうち370件は首都近くのセランゴール州で発生した。

テナガ・ナショナルは東南アジアで最大の上場電力会社。同社の配電ネットワーク担当のゼネラルマネジャーのシティ・サラ・ジョアナ・モード氏は、同社と契約している利用者に対し、法的手段にでると述べている。これはつまり、施設のテナント業者が悪事を働いていたとしても、その施設の所有者に影響が及ぼすことを意味する。

「我々が電気供給を停止したあと、施設の所有者へ請求書が発行される」

同国の電気供給に関する法では、電気窃盗は最大10万リンギット(約250万円)の罰金、または、3年の禁固刑が科される。同社が電気供給を停止できるのは最大3カ月と制限されている。支払いの請求は5年間さかのぼることができる。

施設所有者らへの措置として、契約者名をテナントの名義に変更することを推奨しているという。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版