ブラジルにおけるスポーツキャリア管理企業大手、フィガー・グループのアンドレ・フィガー副社長は、サッカー選手のトークン化に注視しているという。アドバイザーとして参画している仮想通貨イーサリアム基盤の独自トークン「OLECOIN(オレコイン)」が、10名の選手をトークン化したベータ版を2020年後半に運用開始予定としている。

ブラジル版コインテレグラフに対して、フィガー副社長は、ブロックチェーン技術とアスリートのトークン化は、アスリートのマネジメントを世界的に変える可能背があると語った。

フィガー・グループは、ブラジルのプロサッカー界における多くの重要な動向に関与していというる。その中には、FCバルセロナへのジョバンニ・ファン・ブロンクホルスト氏移籍、レアル・マドリードによるロビーニョ(ロブソン・デ・ソウザ氏)獲得、中国サッカー・スーパーリーグの広州富力R&Fによるジュニオール・ウルソ(オシマール・デ・アウメイダ・ジュニオール氏)移籍が含まれるそうだ。

トークン化によって若手選手を支援

フィガー副社長は、アドバイザーとして参画しているOLECOINの立ち上げに触れ、資金不足のためキャリアを放棄せざるをえない若いサッカー選手の支援を目的としており、支持していると述べた。

また、世界で2億6500万人以上がサッカーをしているというFIFAの情報とともに、ブラジルが最も多くのスター選手を生み出していると指摘した。しかし、国際的な有名選手の移籍などには何百万ドルも費やしている一方で、「途中で」失われる無数の才能があるという。

「(ブロックチェーンは)業界の課題の解決策だと思う。我々は、エージェント相手にオークションを開いているかのごとく、自分の子を提供する親たちの姿を頻繁に目にするようになった。我々は、父親や家族の絶望と、その子が家族の生活費を稼げる可能性とが、そういった状況を生み出している点を理解する必要がある」

投資家と選手にとってのメリット

プロジェクト開発者によると、マイクロ投資家が選手のトークンを取得する体裁で、将来の給与やマーケティング契約の特定期間だけ少人数が関与できるなど、将来の債権に参加できるエコシステムの作成を目指しているという。

フィガー副社長は、次のように述べた。

「私が参加しているOLECOINのような取り組みは、優れた才能があってもお金がないという若い選手により多くのチャンスを与えられる。スポーツ用具、十分な食事、トレーニング場所への移動など、可能性を得るための場面で金銭的支援があれば、選手にチャンスを与えられる」

OLECOINは、ドバイ政府機関「スマート・ドバイ」が開催したコンテスト「2019年スマート・ドバイ・グローバルブロックチェーン・チャレンジ」のファイナリストにも選出されたそうだ。世界79ヵ国から700件応募があり、20件がファイナリストとして選ばれたという。

またOLECOINは、10名の選手をトークン化したベータ版を2020年後半に運用開始予定としているそうだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン