ライトコイン(LTC)は「金であるビットコインに対する銀」とも言われ、約11年間存続している。これは、かなりの数の仮想通貨が立ち上げから12ヶ月以内に破綻していることを考えると、非常に素晴らしい成績だ。ライトコイン財団のマネージング・ディレクターであるアラン・オースティン氏は、ライトコインのコアなユーティリティは信頼できる支払い手段であるとコインテレグラフに語っている。

オースティン氏によれば、同氏が持つライトコインのビジョンの多くは、個人的な体験から導き出されたものだという。

「大学院を卒業後、私はスタートアップのテクノロジー企業や不動産企業で働いた。バンク・オブ・アメリカやファニーメイのような企業のアカウントを管理していたのだが、彼らの技術がいかに古く、物事を成し遂げるのがいかに難しいかを目の当たりにして驚いた」

2008年の金融危機後、オースティン氏は伝統的な金融システムに対する信頼を失い始めた。「大手銀行がマネーへのアクセスに関して、自分たちの裁量で人々に異なる基準を設定し、今では救済される側になっているのを目の当たりにして、ブロックチェーン技術がやろうとしていることが素晴らしいものだと考えるようになった」とコインテレグラフに語った。

オースティン氏は、ライトコインがビットコイン(BTC)に似た多くの特徴や属性を持って作られた点を強調する。「まず第一に分散型であり、創設者に与えられたプレマイントークンがなく、公正なローンチが可能であることだ。また、供給量が限られており、流動性が高く、手数料も非常に低い。さらに、ブロックチェーンは11年間ダウンタイムなしでオンライン化されている」。

オースティン氏によると、ライトコイン開発チームは主に、ビジネスパートナー、マーチャント、ライトコインカードデビットカードのアウトリーチという3つの取り組みに注力している。

「商品の支払いにステーブルコインを使う場合、実際には法定通貨のデジタル版を使っているに過ぎない。仮想通貨は変動が激しいが、中間業者が高額な手数料を取ったり、取引を精査したりすることはない」

ライトコインの新しいプライバシーレイヤーが登場したことで、ライトコインはデータの保護に熱心な人々にとってより使いやすくなったとオースティンは語る。

「ライトコインはファンジビリティ(代替性)を提供する。クレジットカードや現金で支払おうとするとき、商店はあなたのポケットにいくら現金が入っているか、あなたの銀行口座は知らない。しかし、例えばビットコインで支払えば、誰もがブロックチェーン上でその取引とあなたの財布の残高を見ることができてしまう」。オースティン氏は、ライトコインの新しいプライバシーレイヤーがこの問題を解決すると説明している。「私たちは、ユーザーが支払いを行う際に、自分のアドレスと残高の金額を隠すことを可能にしている。そして、仮想通貨で給与を受け取る時など、人々のプライバシーを保護するのにとても便利となる」。

最後に、オースティン氏にとってライトコインは、新しい決済手段としての進化にあり、業界の最新トレンドに乗ることはそれほど重要ではないという。

「私たちの目標は、ゆっくり構築していくことだ。私たちは何年もここにいて、あまりに速く動くとプロジェクトが崩壊してしまうことを目の当たりにしてきた。だから、ライトコインをより良い決済手段として発展させるという目標にこだわっているんだ」