QUOINEが運営する仮想通貨取引所Liquidは19日、同社のシンガポール法人であるQUOINE PTEが暗号資産の入出庫管理で利用しているウォレットがハッキング被害を受けたと発表した。これを受け、Liquidではユーザーの暗号資産入出庫を一時停止した。Liquidによれば、ユーザーへの資産の影響は確認されていない。

Liquidの発表によれば、QUOINE PTEが利用している「MPCウォレット」がハッキング被害を受けた。過去の同社のブログ記事によれば、MPCとはマルチ・パーティー・コンピューテーションという技術であり、MPCウォレットでは「セキュリティレベルを妥協することなくコールドストレージへの依存度合を閾値の90%まで軽減」し、「Liquidにおける出金プロセスを劇的に改善」するものだという。

つまりMPCウォレットのもとでは、仮想通貨管理でのコールドウォレットの比率を大幅に下げているようだ。ただ日本については「規制に従って、すべての顧客資産は100%コールドウォレットでの保管が継続されている」という。

今回の発表でも、「分別管理に利用しているコールドウォレットは安全であり、お客様からお預かりしている資産への影響は確認されておりません」としている。

Liquid Globalのツイッターによれば、流出したのはBTC、ETH、TRX、XRPなどで、外部のコールドウォレットに移動しているという。Liquid Globalでは流出先のアドレスも公開している