崩壊したテラ・エコシステムを手掛けていたテラフォーム・ラボは現在、韓国当局から複数の捜査を受けている。

最新の捜査は、同社からビットコイン(BTC)が横領された疑惑を中心に展開されている。地元メディアに掲載された報道によると、ソウル地方警察庁は先月、同社の従業員の1人がBTCを横領した可能性があるという情報提供を受けたという。

警察当局は、同社からBTCが横領された疑いで捜査しているが、共同創業者のド・クウォン氏とは直接関係がなく、現時点では個人の横領容疑を捜査しているだけだと述べている。

報道によれば、警察当局は仮想通貨取引所の協力で盗まれた資金の凍結に成功している。ただし盗まれたビットコインの金額については明らかになっていない。

テラフォーム・ラボが設立した30億ドル以上のビットコイン積立金を保有するファンド「ルナ・ファンデーション・ガード(LFG)」が注目されるようになった。このBTCファンドはアルゴリズム型ステーブルコイン「テラUSD クラシック(USTC)」のバランスを取るために使われていた。同社によれば、USTCを安定させるためにすべてのBTCが使われたという。

テラフォーム・ラボの共同設立者であるダニエル・シン氏はフィナンシャルタイムズとの最近のインタビューで、不正行為や詐欺の疑惑を否定している。

「ブロックチェーン技術で決済システムを革新したいだけであり、騙す意図はなかった」

韓国当局は、最近のテラ・エコシステムの崩壊とテラフォーム・ラボ社員および共同創設者ド・クウォン氏の役割について本格的な調査も開始している。

先月には韓国の金融犯罪捜査チームが、テラを巡る問題について捜査を開始したとの報道が出たほか、韓国の与党議員がこの問題に関して国会で公聴会を開催することを要請している

さらに5月末には、韓国当局はテラフォーム・ラボの全従業員を召喚し、市場操作に内部で関与していないかを調査している。また、当局は仮想通貨取引所に対し、LFGに関連する資金を凍結するよう要請している

さらに韓国の国税庁は5月後半にテラフォームの脱税容疑で7800万ドルの罰金を科した