SBIグループである韓国のSBI貯蓄銀行は、フィンテックビジネスの強化を狙って、人工知能(AI)とブロックチェーンの専門企業デイリー・インテリジェンス(DAYLI Intelligence)と覚書を結んだ。マネー・トゥデイが3日伝えた

 デイリー・インテリジェンスはブロックチェーンを利用したソリューションとAIベースのテクノロジーインフラを金融機関に提供している。報じられているところによれば同社は、様々な金融商品・サービス分野における業務効率最大化とコスト削減を目指しSBIが実施するブロックチェーン及び機械学習の業務への取入れを支援する。

 デイリー・インテリジェンスは、同社がブロックチェーンのスタートアップ企業「ザループ」と共にICONエコシステムの一部として開発したプロトコル「ループチェーン」をベースとするソリューションをSBIに提供する。ICONエコシステム開発は、複数ブロックチェーンを接続する相互運用可能な分散型ネットワークとして機能することを目的としたプロジェクトである。

 提供されるソリューションのモジュール構造は、認証システム、決済、商取引、IoTなどに利用される分散型台帳、スマートコントラクト、マネージメントレイヤーを含むという。SBIは、マーケティングスマートチャットボットDAVinCI BOTと機械学習を用いたデータ分析ツールDAVinCI LABSの統合もデイリーと協力して実施する予定である。

 SBI貯蓄銀行関係者は、新たな覚書は「急激に変化する金融環境」への対応として同銀行が進めようとしているフィンテックサービスの開発促進、新たな顧客層開拓の一部である、と述べている。

 すでにコインテレグラフが報じているように、ここ数か月韓国のブロックチェーン分野では業界の追い風となる方向で規制と立法双方の動きが進んでいる。政府は国内イニシャル・コイン・オファリング(ICO)の解禁を計画していると5月に表明、国会での議論を続けている。さらにはマルタ流「ブロックチェーン・アイランド」の韓国版建設を推し進めることさえ検討している。

 地方の規制当局はブロックチェーンへの投資を呼び込むであろう新たな規則の導入を約束し、3つの省庁がブロックチェーン業界の包括的分類の枠組みを決める最終草案をまとめていると伝えられている。数日前には、ある州がブロックチェーンに基づく独自仮想通貨の発行を予定していることが明らかになった。これは現在の国家へのロイヤルティが他のものに置き換わる流れを示す動きであると言える。