韓国と北朝鮮が先月27日に共同で発表した南北「板門店宣言」。ある韓国のプログラマーがこの和平宣言の詳細を韓国語と英語でイーサリアムに記録して話題になっている。

 イーサリアムのブロックチェーン上で記録された情報は改ざんすることができない上、誰にでも参照が可能だ。

 仮想通貨熱が冷めやらぬ韓国らしいブロックチェーンの活用法だ。

 韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長によって出された板門店宣言はまだ平和協定ではないが、「朝鮮半島の完全な非核化を南北の共同目標とし、積極的に努力をすること」や「休戦状態の朝鮮戦争の終戦を2018年内に目指して停戦協定を平和協定に転換」することを謳っている。

 朝鮮戦争は1953年に休戦協定をもって停止していたが公式には未だ終わっていない状態にあり、今回の宣言は現状をリセットしようとする試みといえる。

 「歴史」や「史実」は政府等の発行する公式文書等によって記録されることが多いが、改ざんしやすいという性質が見解の相違や紛争を引き起こしてきた。今回、韓国人プログラマーによるイーサリアムを使った試みは単なる話題づくりと見ることもできるが、一方で政治や外交の世界でもブロックチェーンが応用されるかもしれないことを示唆する画期的な出来事だ。