カザフスタンのトカエフ大統領は、人工知能(AI)とデジタル資産に関する国家戦略を打ち出し、その一環として戦略的な仮想通貨準備基金の設立を提案した。

トカエフ氏は9月8日の年次教書演説で、政府は「銀行マネーを経済に最大限還元する効果的な方法を見つける取り組み」の一環として、「できるだけ早期に完全なデジタル資産エコシステムを創設すべき」と述べた。

さらに、金融市場規制・発展庁に対し、2026年までにデジタル資産に関する法案を策定するよう求めた。

大統領は演説の中で仮想通貨準備基金の構想についても触れた。

「国立銀行投資公社を基盤にデジタル資産国家基金を設立するのが望ましい。この組織は、新しいデジタル金融システムにおける有望な資産からなる戦略的仮想通貨準備金を蓄積することになる」と述べた。

今回の発表は、約2か月前に「押収したデジタル資産を原資とした国家仮想通貨準備基金を中央銀行が検討している」との報道が出たことに続く動きでもある。

米国のトランプ大統領によるビットコイン準備金を創設したことに触発されブラジルやインドネシアを含む複数の国も、戦略的デジタル資産準備金の構築方法を模索していると報じられている。

「クリプトシティ」構想も現実化へ

トカエフ氏は5月、仮想通貨を用いた商品・サービス決済が可能なパイロットゾーンを設立する計画を明らかにした。当時から、南東部アラタウ市に「クリプトシティ」が建設されるとの観測が広がっていた。

今回の演説で大統領は、アラタウ市を「地域初の完全デジタル化都市」とし、仮想通貨決済を導入する方針を示した。

「この都市はカザフスタンの未来を体現することになる。技術的進歩と最良の生活環境を兼ね備えるべきだ」とトカエフ氏は語った。

カザフスタンは規制環境の柔軟さと電力コストの低さから、世界有数のビットコイン採掘拠点となっている。ピーク時には世界全体のハッシュレートの約13%を占めていた。

しかし、採掘需要の急増は違法なマイニング事業の増加を招き、国内の電力網に大きな負担を与える結果となった。

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