米NY州裁判所、仮想通貨は契約書上の「現金」に当たらず

米ニューヨーク州裁判所のキャサリン・ポーク・ファイラ裁判官は、JPモルガン・チェース銀行のクレジットカードを使った仮想通貨の購入は、同行の契約書上の「現金」取引にあたらず、現金取引の際に同行が求める「現金前払い」を適用できるわけではないという決定を行った。

コインデスクによると、ブラディ・トラッカー(Brady Tucker)氏ら原告は2018年4月、JPモルガン・チェース銀行を相手取って集団訴訟を起こしていた。内容は、同行のクレジットカードを利用して仮想通貨を購入した際、過大な手数料を請求したというもので、手数料の返還と損害賠償を求めている。また原告側は、JPモルガン・チェース銀行は、仮想通貨購入に対する手数料は「現金前払い」を要するとしていたものの、同行クレジットカード保有者への周知を怠っていたと主張している。

裁判所が公開した8月1日付け文書によると、ファイラ裁判官は今回、原告らの起訴内容の多くを棄却するよう求めたJPモルガン・チェース銀行の申し立てを却下した。今回の集団訴訟について、同裁判官は文書中で次のように述べた。

「原告らの訴訟全体は、仮想通貨の取得(購入)は、JPモルガン・チェース銀行との契約範囲内における『現金前払い』に分類できないという主張に基づいている。(中略)同行はこれには同意せず、仮想通貨の取得は契約書にある『現金のような取引(cash-like transactions)』にあたり、『現金前払い』に分類されると主張している。両当事者の論争は、この『現金のような取引』という用語の適切な解釈に関する意見の相違に帰着する」

JPモルガン・チェース銀行の棄却の申し立てが却下された理由は、同行契約における「現金のような取引」という用語について原告らが合理的な解釈を提供したと、ファイラ裁判官が考えたためのようだ。

ファイラ裁判官によると、原告らは「現金(cash)」という単語を「法定通貨(fiat money)」だけを指すものと解釈しており、同様に「現金のような」(cash-like)という文言についても、小切手・為替・電信送金など「法的に認められている現金の請求」のみを指し、仮想通貨を指すわけではないと説明したようだ。

一方で被告のJPモルガン・チェース銀行は、「現金のような取引」という用語は、仮想通貨やその他を問わず、あらゆる決済に適用されると考えているという。

ファイラ裁判官は、原告らの解釈を適切なものとして支持し、集団訴訟裁判を進める上で十分妥当であると述べ、次のように述べた。

「進行中の集団訴訟の現時点においては、JPモルガン・チェース銀行の『現金のような取引』に対する解釈が、原告らより合理的かどうかは関係がない。(中略)原告らは、(契約における)仮想通貨の購入を除外する『現金のような取引』の合理的な解釈を特定しており、原告らによる起訴は、棄却の申し立てに耐えうる」


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版