米国の連邦裁判所は、FTX元CEOのサム・バンクマン-フリード氏の保釈を取り消したと報じられている。同氏を巡っては、検察側の証人を威嚇するためにニューヨーク・タイムズの記者に情報をリークしたとして、検察当局が保釈取消を求めていた

2023年8月11日にニューヨーク南部地区連邦裁判所で開かれた公聴会を傍聴した人々の報告によれば、ルイス・カプラン判事はバンクマン-フリード氏の保釈を取り消し、FTXでの活動に関連した詐欺の裁判が終わるまで彼を拘置所に留めることを決定した。検察側 は、バンクマン-フリード氏が2億5000万ドルの保釈金で保釈されて以来、彼の保釈取り消しを求めていた。

カプラン判事は、バンクマン-フリード氏がニューヨーク・タイムズの記者とのインタビューで情報を共有し、「アラメダリサーチ元CEOのキャロライン・エリソン氏を傷つけ、怖がらせる」意図があったとした。

ダニエル・サスーン検事補は、バンクマン-フリード氏が以前の保釈条件を破ったとし、その例として、FTX USの法律顧問であるリン・ミラー氏へのSignalアプリでのメッセージ、インターネットにおけるVPNの使用、エリソン氏を威嚇することを目的としたNYタイムズ 記者への情報提供などを挙げた。

「証拠を見る限り、被告が少なくとも2回、 証人に対して影響を与えようとしたと信じるに足る理由がある」とカプラン判事は言い、「全てを考慮すると、私は保釈を取り消すことにする」と決定したという。 

サスーン検事補は、バンクマン-フリード氏が証人に特定のメッセージと文書の削除を求めたと主張した。バンクマン-フリード氏の弁護士マーク・コーエン氏は、弁護団との連携の必要性を理由に、バンクマン-フリード氏の保釈を続けることを裁判所に求め、証人威嚇の告発は10月の裁判の問題であると付け加えた。

 「被告がマフィアよりも巧妙だったからといって、それが許されるわけではない」とサスーン検事補は言った。「裁判所が拘束が適切であると結論付けるには十分だ。彼は裁判の公正性を妨げる意図がある」と強調した 

インナーシティプレスは、バンクマン-フリード氏の両親が公聴会に出席していた可能性があると報じた。バンクマン-フリード氏はニューヨークの裁判所への出頭時を除き、これまでカリフォルニアの両親宅に滞在していた。

バンクマン-フリード氏は、2023年10月と2024年3月に開始予定の2つの刑事裁判で計12の刑事訴訟に直面している。検察は7月に、バハマとの引渡し合意の条件により選挙資金違反の訴訟を取り下げることを発表したが、8月8日には電信詐欺の訴訟の一部としてこの選挙資金違反の問題を取り上げる意向を示している

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン