【独占インタビュー】マカフィー砲が炸裂!「金のこと忘れて仮想通貨が愛する人の生活どう変えるか考えろ!」

 ウイルス対策ソフトで有名なジョン・マカフィー氏は仮想通貨界における有名人だ。プログラミングとサイバーセキュリティの知識を有する同氏は、非中央集権技術とこれを使ったサービスの魅力に憑りつかれているようだ。

 コインテレグラフはそんなマカフィー氏を独占取材。仮想通貨を推奨する際の基準や、ブロックチェーンがもたらす社会変革などについて聞いた。取材は1月15~19日にあったブロックチェーンクルーズアジアの船上において行われた。

ーーマカフィー氏のツイッターには70万人のフォロワーがいる。自身が仮想通貨市場に及ぼす影響力についてポジティブに見ているか。

マカフィー氏:当然だ。仮想通貨コミュニティでは大きなフォロワー数だ。だがそれだけではなく、全てのメジャーな仮想通貨関連のイベントでもスピーカーとなっている。また業界の友人も多い。例えばビットコイン採掘機の最大手ビットメイン(比特大陸)のジーハン・ウー(呉忌寒)や、ロジャー・バーも友人だ。ブロックチェーン関連の投資家のブロック・ピアースも一緒にパーティーする仲だ。だからフォロワーへの影響力と同様に、こういった業界人にも影響がある。ロジャー・バーとジーハン・ウーと一緒に座ってビットコインキャッシュについて語ることは、70万人のフォロワーに対してツイートするのよりも大きな影響力を持つということだ。

John McAfee

ーー仮想通貨の推奨基準は。どのようにリサーチしているか。

マカフィー氏:一番大事なのが計画されているプロダクトが実現するかどうかだ。プロダクトが計画通りにできるか、ブロックチェーンやソフトウェア、そして市場を理解しているチームかどうか。だがもっと重要なのが私自身が使いたいようなものであるかだ。例えばアウティングスという有料の旅行アプリが大好きでお金を払って情報を得ている。仮想通貨も同じで例えばKWH(キロワット・アワー)コインは私も使いたい。電気が通っていないところにある家をいくつか持っていた時の経験だが、電気が無駄になったり、電気が足りないことほどの悪夢はない。だから余剰電力をトークンを使って電力会社に売って返したり、電力を持っている人から買ったりする機能が欲しい。だから私自信が欲しくて、実現化すると社会にも役立つものは子供たちにも伝えたい。そういった場合にその仮想通貨を推奨する。仮想通貨のホワイトペーパーを読む人は限られているので、私が紹介することにしている。

ーー一つの仮想通貨に対する評価が変化する場合はあるか。

マカフィー氏:当然ある。最初は素晴らしいアイディアだと思われたものが、計画通りに実行されないことがよくあるからだ。

ーーあなたに金を払って特定のプロジェクトについて言及してもらおうとしてきた人はいるか、もしいるならそれはどういうプロジェクトだったのか。

マカフィー氏:もちろん払ってこようとした者はいる。私がどこで誰から金を稼いでいるかという個人的な財務について話すつもりはない。自分自身の問題として公表したものは、すべての皆の問題になる。非難するつもりはないが、そのような質問をするのは失礼だ。

ーー自身の言葉の重み、そしてその後に続く価格の上げ下げについて責任を感じるか。

マカフィー氏:全然感じない。私が世界の人々が知るべきだと思うことについて言及するとしよう。私だけがそれを知っているのは不合理であり、友人に限定してこそこそ話すこともしたくない。それは、一人で内緒にしているより悪いことではないか。人々がそれを受け止め、誇張したり矮小化したりして風説を流すのは、彼らの問題であり私の問題ではない。バージ (Verge) トークンの例をあげると、私が、バージの価格について、数か月先にはおそらく2倍になると言ったところ、実際には150倍にも値上がりした。

「いや、冗談ではない。バージ (XVG) をリストに加えたのは、非上場で正規の匿名コインであり、3セント未満で取引されているからだ。投資を知っているなら、300ドルのコインが3万ドルになるより、3セントのコインが3ドルになる方が簡単であることは分かるだろう。」(XVGに否定的なユーザーに対してマカフェー氏が返した12月14日付のツイート)

人々がバージを20セントで購入したことは私の責任ではない。私は2セントならお得だと思っただけだ。お分かりのとおり、私の問題ではない。私はただ推奨しただけだ。バージは真の匿名コインになる可能性がある。それがいつ起こるかは分からない。とにかく現時点では割高だ。

Verge Charts

Coinmarketcap

その他の人々についてだが、彼らが欲深くなってこの分野を単に金儲けの方法として考えたいならば、それ相応の見返りを得るだろう。裏側を見て「これは革命だ。世界が今まで見たことのないものだ」と捉えることもできる。金のことは忘れてしまうことだ。仮想通貨の効用、特定のトークンやコインの有する力、仮想通貨があなたやあなたの友人、愛する人、子供の生活にどのような変化をもたらすかに目を向けてはどうか。私はそれを続けていく。腐ったトマトを好きなだけ多く私に投げるがいい。あなたが望む名前で私を呼ぶがいい。名前が私を傷つけることはない。人々が私をどのように呼ぶか、私についてどう話すかについて私が気にすると思うか。私は全く気にしない。

――特定のコインに言及したことについて後悔したことはあるか。

マカフィー氏:当然ある。FINAコインについては後悔している。

「今週FINAコインの2度目のICOがあった。これは、現在年間10憶ドル超にものぼる海事・航空産業における詐欺を無くすだろう。また、テロや人身売買に対峙する最初のコインでもある。私の強い関心事だ。このコインはユニークであり素晴らしい。」(18年1月5日のツイート)

このツイートをした後、FINAコインの創設者の一人がナイジェリアの犯罪組織のメンバーであることを知った。誰かが証明するまで、すべての事実を把握することは難しい。私は、直ちにツイートし、謝罪し推奨を取り下げる旨述べた。

「FINAのICOが有名なナイジェリアの犯罪組織に関わる個人によって企画されたということが証拠をもって明らかにされた。FINAが規則を遵守しなくなり、コインの上場やプロダクトの開発を取りやめたりするとの証拠はないが、推奨を取り下げる。詳細は追って報告する。」(18年1月10日のツイート)

だがこれはビジネスの本質である。すなわち、もし全く新しい経済、全く新しいパラダイムの中にいて、泥沼に足を踏み入れないとしたら仕事をしていないということになる。

――仮想通貨の投資家に対する最善のアドバイスは何か。

マカフィー氏:何もない。なぜなら今日私が推奨したことは、明日になれば変わりうるからだ。何かが起きてそれに取って代わりうる。仮想通貨の将来は、新興のコイン技術と、ICOを通じて現れる創造的なアイディアにあると考える。そしてすべての人々がこれを見逃している。人々は金儲けだけに関心を向けているようだ。「ビットコインの価値は上がるのか下がるのか」「イーサリアムの価値は上がるのか下がるのか」「ビットコインはまたもや分岐点にさしかかるのか」「それはどのようなものになるか」「ビットコインか又はビットインキャッシュか」というように。そんなことはどうでもいい。私が言っていることはこれらと無関係である。私が言っていることは、我々の背後から何が来ているのか、地上から何が現れようとしているのか、何が我々の将来を変えるのか。仮想通貨が、現実味を帯びた、生活や文化を変革するイベント、態度、プロダクト、創造であることを忘れてしまっている。そして我々はそれを観察しなければならない。そうしなければ、何かを見逃し、良いものがドブに捨てられゴミの中に埋もれてしまうことになる。これがICOの海の全体像である。我々は既に、ビットコインが何か、イーサリアムが何かを知っている。それでよい。それで好きなようにするといい。そこにある新技術を掘り出し始めるといい。新たなヘンリー・フォードや、鉄道に匹敵する概念、我々の生活を美しい方向に変化させる何かが立ち現れるだろう。もしそれを見逃したら、我々は一生それを後悔することになる。

――ビットコインの価格が下落した場合にあることを行うとした約束に照らし、最近のビットコインの価格下落について懸念しているか。

マカフィー氏:全く心配していない。ジェイミー・ダイモン氏がビットコインについて詐欺だと発表したときも、ビットコインの価格は数時間のうちに40パーセント下落した。そのときも私は心配しなかったし、今も心配していない。それ自身命を持っており、心配しても仕方ないからだ。

「2020年末までにはビットコインは50万ドルになると予測したとき、私は、2017年末には5000ドルになると予測したモデルを用いた。ビットコインの価値は、実際にはそのモデルの予想よりもはるかに速く上昇している。現在は2020年末までに100万ドルになると予測する。もし間違っていたら自分のあそこを食べてもいい。」(17年11月29日のツイート)

――そもそもどうしてこのような約束をすることになったのか。​

マカフィー氏:テレビ放映中に自然と口から出た言葉だ。「ビットコインの価格は下がるか」と聞かれたので、「50万ドルにならなかったら私は自分のあそこを食べるよ」といった。このとき、ビットコインは4000ドルだった。それ以降私の想像をはるかに超えて上昇した。私は自分が間違いを犯し、予測がはるかに誤っていたと考えたため、100万ドルに予測を変更したのだ。今に分かる。それは現実になる。

――最近の市場下落の原因をどう見るか。

マカフィー氏:前回のビットコインの暴落を引き起こしたのと同じ原因、すなわち、世界最大の銀行の一つで間違いなく米国最大の銀行であるJPモルガンだ。すべての銀行は戦々恐々としている。今や各人のウォレットが銀行であり、我々は銀行を必要としなくなる。銀行は、何か対策を打たないと消えていくだろう。

――あなたのツイッターアカウントは、常時ハッキングの対象となっているようだが。​

マカフィー氏:ハッキングを受けたのは一度きりだ。ハッキングの実行者たちが私にコンタクトを取ってきたから、どのようにして行われたかについては正確に知っている。彼らは、SIMスワッピングという新技術を用いていた。最初、私は自分のアカウントがハッキングされたとは思わなかった。単に使えないだけだと思った。ツイッターをハッキングしたのだと思った。だが実際に彼らが行ったのは、私の契約している通信事業者であり最大の通信事業者であるAT&Tのハッキングだった。彼らが行ったことは、ソーシャルエンジニアリングを用いて、同情的な職員を見つけるまで地方事務所に電話をかけ続けたことだった。「私の名前はジョン・マカフィー。SIMカードをなくしたが、新しいカードを入手したから、こちらに私のアカウントを変更してくれないか。」そして最終的に誰かがそれを実行した。私の電話は機能停止した。その後ハッカーは、ツイッターに対し、パスワードを忘れたから電話にパスワードを送ってくれと要請したのだ。

「緊急: 私のアカウントがハッキングを受けた。ツイッターには通知した。今日のコインのツイートは私によるものではない。皆さんご存知のとおり、私はもう今日のコインのツイートは行っていない!」(17年12月27日のツイート)

そして、ツイッターは、私の電話とされるもの ―実際にはハッカーの電話― にパスコードを送った。ハッカーは、そのコードを使い、私のパスワードを変更し、私が事態を解消しようと奮闘している間の2時間半にわたって乗っ取りを続けた。最終的に私は逆ハッキングとメールを用いて乗っ取りを解消した。それまでにそうした技術については聞いたことがなかった。ツイッターではなく、AT&Tが原因だったのだ。私はAT&Tに苦情を述べたが、AT&Tは何もしなかった。私は2段階認証を行っていたが、もしそれをしていなかったらハッキングの被害に遭うことはなかったのである。したがって、自分を守るための最善な方法と思われていたことが最悪の方法であることが判明した。事業者に電話番号を預けたら、ハッカーはそれを入手し、乗っ取り、コードを送信し得るのだ。電話番号を持っていなかったら、事業者はどこにもコードを送信できず、ハッカーは私のパスワードを自分で探し当てなければならない。そしてそれは不可能なことである。

――仮想通貨の背景にある核となる思想はなんだと思うか。

マカフィー氏:核となる思想は、世界で偉大な思想の一つ、すなわち「中央集権機構から権力を奪おう」というものであると考える。権力が合体し、巨大な主体に圧縮されるとき、常に汚職が生じる。それが個人であれ法人であれ、権力による汚職は常に生じる。ブロックチェーンの技術は、権力を政府から奪い、それを我々に分配する。これが意味することは、文明の構造全体が巻き戻され、最初からそうであるべきであった姿に再構成される、ということである。我々は、人民として、自分自身の自由、権力を享受する。何かを行うにあたって誰かや政府の許可を得る必要はない。他人や周囲の人々に迷惑をかけない限り、自由に誰かに送金したり、お金を受領したり、何かを購入したりすることができる。それならば、何かをするにあたって誰かに許可を得る必要があるか、ということになる。これが現在起こっていることであり、我々は許可のいらない世界に突入しているのである。世界のどの国であれ、大人になったら ―国によって制度は違うが。中央アメリカでは12歳から (*注: 中央アメリカの国々では成年は14歳から18歳までとまちまちである) 、米国では21歳から― 人々はそれぞれ自分自身の主人になるのだ。何かをするにあたって誰かの許可を得る必要はない。これがビットコインによる変化であり、世界が向かっている方向であり、我々は、最終的にエデン、完全体を創り出す機会を付与されているのである。そこに至るまでに我々は失敗もするだろう。我々は常に失敗する。だが、失敗するにせよ、現在存在している世界よりははるかに良くなる。

――仮想通貨業界の将来についてはどのように考えるか。

マカフィー氏:爆発的に成長するだろう。今はごく初期の段階にすぎない。前にも述べたように、生活のあらゆる場面でコインが登場するようになり、また、コインが用いられなければならない。各場面でそれぞれ違ったコインが必要となる。なぜならコインはそれぞれ異なる機能を有しており、有しているべきだからである。インターネット黎明期のようになるだろうが、今回はそれよりも100倍深遠で奥深いというだけである。そして、わずか5年後でさえも予測できないほどのインパクトをもたらすだろう。

<終>