米民主党からの大統領指名が濃厚なジョー・バイデン氏のツイッターアカウントもビットコイン詐欺師による一連の攻撃の標的となっていた。既報の通り、今回の攻撃はツイッターアカウントをハイジャックしてビットコイン無料配布などを呼びかける詐欺行為だ。仮想通貨業界からはバイナンスやコインベースなどが被害にあった他、業界以外ではビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏、イーロン・マスク氏が攻撃にさらされていた

一連の攻撃が同一犯や同一の犯行グループによって行われたものか詳細は明らかになっていない。

犯罪者たちはバイデン氏のツイッターアカウントに侵入。次のように呼びかけた。

「コミュニティーに還元する。下記のアドレスに送られたすべてのビットコインを2倍にして返す。1000ドル送れば2000ドルになるというわけだ。今から30分しかやらない」

このツイートは、ピンで固定する機能まで使われていた、

執筆時点では、バイデン氏はツイッターアカウントからコントロール権を奪い返したようだ。

すでに犯罪者たちは11.5BTCを獲得している。

一連の攻撃について日本の仮想通貨業界や著名人への被害はまだ確認されていない。

オバマ元大統領やアップル公式なども被害

バイデン氏だけでなく、多くの著名人のツイッターが一連の攻撃の標的となった。政治関係では、元大統領のバラク。オバマ氏、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏が被害にあった。また先月に米大統領選への出馬を表明した、ラッパーのカニエ・ウェスト氏も攻撃されたようだ。

経済界では、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏、著名投資家のウォーレン・バフェット氏、スペースXとテスラを率いるイーロン・マスク氏らだ。またアップルやウーバーの公式ツイッターもターゲットになったと報じられている

仮想通貨業界も主要なターゲットにされた。仮想通貨取引所バイナンスのジャオ・チャンポンCEO、トロン創業者のジャスティン・ソン氏、ライトコイン創業者のチャーリー・リー氏らのアカウントが被害にあった。また米仮想通貨取引所ジェミナイやコインベース 、コインデスク、クーコインなどの企業アカウントでも同様の被害が発生した。

仮想通貨トロンの創業者であるジャスティン・ソン氏は、ツイッターへのハッキングを仕掛けた攻撃者に対して懸賞金を掛けると、コインテレグラフに語っている。ソン氏は、ハッカーの追跡に対して重要なデータを提供する人物に100万ドル(1.07億円)を与えると述べている。

今回の攻撃の経路や手段等の詳細についてはいまだわかっていない。米メディアのViceは、アンダーグラウンドのハッキングコミュニティから入手した情報として、ツイッターの従業員用の管理パネルが乗っ取られた可能性を指摘している。またViceの記事の中では、仮想通貨取引所バイナンスの公式アカウントの管理パネルのスクリーンショットの画像が掲載されている。

ツイッターのジャック・ドーシーCEOは、今回のツイッターへの攻撃について「私たちにとって厳しい日となった」とツイート。現在は事態に関する調査を進めている段階であり、「何が起こったのかを完全に把握できたら、できる限りのことを共有する」とユーザーに伝えている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン