詐欺的なビットコイン(BTC)無料配布を謳うツイッターアカウント攻撃は仮想通貨業界にとどまっていない。

仮想通貨取引所バイナンス、コインベース 、ジェミナイなど取引所の仮想通貨関連アカウントが「組織的」な攻撃を受けたことは報じたが、テスラ創業者イーロン・マスク氏のツイッターアカウントもハイジャックされていたことが明らかになった。

マスク氏のアカウントは、下記のツイートをピンで固定。指定のビットコインアドレスにビットコインを送れば2倍にして戻すと述べた。

「新型コロナウイルスで私は寛大な気分になっている。次の1時間で下記の私のビットコインアドレスにビットコインを送金したら、2倍にして戻す。幸運を」

マスク氏は、過去に仮想通貨についてツイッター上で度々話題にしてきた。同氏は0.25BTCを保有していることを明かしている。

上記は詐欺師の常套手段で、ビットコイン保有者を騙してビットコインを盗み取ろうとするものだ。

また、マイクロソフト創業者のビル・ゲーツ氏やアマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏のアカウントも攻撃された。

マスク氏のアカウントによるピン留め投稿から10分ほどで指定のアドレスは3.64BTC(約370万円)を保有。ツイート前は0.6527BTCを保有していたのみだった。

トロン創業者は犯人に懸賞金

仮想通貨トロンの創業者であるジャスティン・ソン氏は、ツイッターへのハッキングを仕掛けた攻撃者に対して懸賞金を掛けると、コインテレグラフに語っている

ソン氏は、ハッカーの追跡に対して重要なデータを提供する人物に100万ドル(1.07億円)を与えると述べている。さらにソン氏は次のように語った。

「私たちはツイッターと緊密に協力して、この問題を直ちに解決し、アカウントを通常の状態に戻している。私たちは常にアカウントの取り扱いに注意を払っている。安全かつ責任をもって業務を遂行するため、アカウントのセキュリティを可能な限り最高の水準にする。これは、私たちの社会が分散型でトラストレスなソフトウェアとサービスを導入する必要性が高いことを明確にした」

今回のツイッターへの攻撃では、仮想通貨業界の関係者が軒並み影響を受けた。

仮想通貨取引所バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は、バイナンスのツイッターアカウントでビットコインのギブアウェイ(無料配布)をめぐる不可解な活動が発生。仮想通貨ビットコイン (BTC)のギブアウェイ(無料配布)を謳う詐欺的なツイートは、米仮想通貨取引所ジェミナイやコインベース 、コインデスク、クーコインなどの企業アカウントでも発生。その他、ライトコイン創設者チャーリー・リー氏やトロン創設者ジャスティン・ソン氏など仮想通貨関係者のツイッターアカウントが一斉に標的となった。

ツイッターのジャック・ドーシーCEOは、今回のツイッターへの攻撃について「私たちにとって厳しい日となった」とツイート。現在は事態に関する調査を進めている段階であり、「何が起こったのかを完全に把握できたら、できる限りのことを共有する」とユーザーに伝えている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン