三井物産デジタル・アセットマネジメントは、ブロックチェーン技術によるセキュリティトークン発行を目指す「デジタル証券プロジェクト」を開始した。まず不動産を投資対象とするファンドで実証実験を行う。プロジェクトに協力する、ブロックチェーン企業LayerXが21日に発表した。
デジタル証券プロジェクトには、三井物産の金融子会社やLayerX、投資法人みらいが協力する。
三井物産デジタル・アセットマネジメントはこのプロジェクトを推進するため、三井物産とLayerXが4月1日に設立した新会社だ。発表によれば、4月末をめどに、SMBC日興証券と三井住友信託銀行との資本提携も予定している。
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、2020年後半から、本格的な事業展開を開始する計画だ。
「改正金商法の規律に従ったセキュリティ・トークンを発行することで投資家資金の調達を行い、国内外の不動産やインフラ投資を行う資産運用会社として、事業運営に必要な許認可等を取得した上で、本年後半より本格的な事業展開を開始する予定です」
今回、本格的な事業展開に先立ち、セキュリティトークンを使った実証を行う。
実証ファンドが投資法人みらいが保有する「六甲アイランドDC」の信託受益権の一部を取得し、運用を開始。LayerXが開発したセキュリティトークン発行のシステムを使い、運用期間中の「配当」と「譲渡」の実装実験を行う。このシステムでは「投資家の出資持分が分散台帳上で管理されており、投資家への配当額の自動計算や、非対面での投資持分譲渡が可能」だという。
出典:LayerX 発表資料