年内にも日本メタバース協会が設立される。日本国内でのメタバースを巡る議論のハブになることを目指している。コインテレグラフでは、同協会の代表理事に就任する予定である大西知生氏(FXcoin社長)に協会設立の狙いを聞いた。

日本メタバース協会は12月中に正式に設立される予定だ。暗号資産交換業者であるFXcoinの大西知生社長が代表理事に就任するほか、暗号資産交換業者であるCoinBest社長の雒東生氏や、ウォレットを手掛けるGinco社長の森川夢佑斗氏、暗号資産投資ソリューションを提供するインテリジェンスユニット社長の新見明弘氏が設立時理事として参画する。参加者は個人として協会に参加することになる。

大西氏は、「今年に入ってメタバースが大きく脚光を浴びる一方、日本と海外との情報格差も見受けられる」と話す。

「メタバースについておおまかなイメージがつく人は多いものの、メタバースで何ができるかを理解している人は少ないというのが現状だ」

特に最近ではソフトバンクのビジョンファンド2がメタバース「ZEPETO」の運営会社に1.5億ドル(約170億円)の出資をするなど、米国や韓国で具体的なプロジェクト開発も進んでおり、日本と海外との格差が生じることに危機感を持つ。

そのような中で、「日本における情報やアイデアの集積地となり、国内外の個人や企業、団体などをつなげる役割を果たす」ことが協会の目標だ。

「海外との情報格差を埋めていくことを進めたい。また逆に日本の情報を協会が起点となって海外にも発信していきたい。協会がメタバースの情報の集積地になることを目指し、国内外のプレイヤーをつなげていきたい」

金融業界や仮想通貨業界、エンターテイメント業界、コンテンツ業界、VR業界など、業界横断的に議論する場所として協会を位置づけていきたいという。

「メタバースに関係する企業や個人が会員となり、情報交換、場合によっては協力しあうことで、シナジーが生まれ、わが国が『メタバース先進国』となることに資することを目指している」

「走りながら考えなければならない」と、大西氏はスピード重視の姿勢を強調する。年内に設立する予定のメタバース協会では、勉強会・分科会での議論や、ノウハウの共有、情報発信、そして多様な協会・団体との連携などを積極的に進めていく考えだ。

(日本メタバース協会Webサイト:https://japanmeta.org/