南太平洋の島国ツバルは、自国の文化や社会を未来に残すために、Web3技術を活用することを決めた。

同国のサイモン・コフェ外相は15日、第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)で、気候変動による海面上昇から同国の遺産を守るための代替手段を模索していることを明らかにした。その方法のひとつが、メタバースにおける自国の再現だ。
 

コフェ外相はビデオ放送で「我々の土地が消滅していく中で、我々は世界初のデジタル国家になるしかない」と述べた。

ツバルでは満潮時には首都の40%が水没し、今世紀末には国全体が水没すると言われている。

ツバルがメタバースに自らを構築するとなると、メタバースで最初のデジタル化国家になる。コフェ外相は、この国の土地、海、文化は最も貴重な資産であり、物理的な世界で何が起ころうとも、それらはクラウドに安全に保管されるだろうと語った。

「我々の島は、急激な気温上昇や海面上昇、干ばつに耐えられないため、バーチャルで再現する必要がある」

他国でもデジタル空間への取り組みが加速している。

2021年には、カリブ海の島国バルバドスがディセントラランドのメタバースに大使館を開設し、その先駆けとなった。オーストラリアの先住民族も今年初め、メタバースに大使館を開設する計画を打ち出していた。

ノルウェーは最近、次世代のユーザーにリーチするため、連邦税務局の支部をメタバース内に開設した。アラブ首長国連邦も、経済省の新しい本部を仮想の土地に設置するなどメタバースでの動きが国家レベルで見られている。