6月28日午前9時20分の仮想通貨相場は、大幅マイナスが続いている。ビットコインは27日の午前5時30分頃に1万4000ドルに迫ったものの、直後に急落。その後乱高下したのち、28日午前5時30分過ぎには1万300ドル付近まで下がった。現在は、1万1300ドル付近で推移している

仮想通貨業界関係者の間では、今回の急落が「健全」なのかを巡って意見が分かれている。

(出典:TradingView「ビットコイン/米ドル(5日間)」)

「健全とは言い難い」

「もっとも仮想通貨に強気な人々も、1週間で50%以上のプラスはできすぎで速すぎる」

ジェネシス・グローバル・トレーディングのマイケル・モロCEOは、米経済番組CNBCに対して上記のように話した。モロ氏は、ビットコイン価格の急激な動揺の「主な原動力」となったのは、レバレッジ取引だったと指摘。レバレッジは、担保となる手元の資金に「レバレッジ」をかけて何倍もの額の取引を行うことから一般的にリスクの高い取引と考えられる。

モロ氏は、レバレッジ取引によって「上下双方の動きが悪い意味で強調される」と指摘。この動きについて「健全」とは言い難いと述べた。

また、今回の急落の背景には、フェイスブックのリブラに対して規制当局から相次いで懸念の声が出ていることをあげるアナリストもいる。

「なんてすごいマーケットだ」

一方、今回の急落は健全と見る仮想通貨トレーダーもいる。

ジョシュ・ラジャー氏は、歴史を見れば過去最高更新前に何度もプルバック(一時的な下落)があったと発言。過去の上昇トレンドの中で、少なくとも9回プルバックがあったと指摘した。

(出典:Josh Rager

またeToroのシニアアナリスト、マティ・グリーンスパン氏は、ブルームバーグに対して、「1時間未満で15%急落したあと前日の高値まで戻るなんて、なんてすごいマーケットなんだ」と発言し、今回の急落を前向きに捉えた。