クレジットカードを持ちたいと考えていても、様々な理由から審査に通りにくい人もいることは事実だ。

これまでクレジットカードを持ったことのない30歳以上の人や、クレジットヒストリーに傷が多い場合などが、それに該当する。

そういった人でも比較的審査に通りやすいのがアコムのクレジットカードである。

メリットとデメリットについて、具体的に紹介していこう。

消費者金融のアコムが発行しているクレジットカード

アコムは日本国内でも有数の消費者金融の会社である。

自動契約機である『むじんくん』などで知られており、実質年率3.00~18.00%でカードローンを組むことができる。

アコムが発行しているクレジットカードは『ACマスターカード』という名称であり、アコムのキャッシングカードである『ACカード』の機能がセットになっている。

このため、クレジットカードとしての利用はもちろん、アコムのキャッシングサービスも利用可能である。

アコムのクレジットカードの特徴

ACマスターカードは、以下のような特徴を持つカードである。

入会金・年会費無料

入会金や年会費は無料である。

クレジットカードでは、よく「1年間の利用実績が1度でもある場合は翌年無料」などの設定がなされていることがあるが、ACマスターカードはそういった縛りもなく永年無料だ。

アコムなどの消費者金融を利用する機会がある人は、金銭的に余裕がないケースも多いため、利用の有無にかかわらず発生するこういった利用料が無料となっていることは非常にありがたい。

基本的な手数料は無料

基本的に手数料も無料だが、以下の通り支払いの必要がある場合もある。

キャッシング機能を利用した場合、印紙代として一律200円

提携ATM(アコムのATM以外)を利用してクレジット使用料を振り込んだ場合、10,000円以下の取引で110円、10,001円以上の取引で220円

クレジット機能付きカードを再発行する際に、550円

支払期日までに必要額を入金しなかった場合は遅延損害金が金額に応じて発生

ACマスターカードを使用する際は、銀行引落用の口座と紐付けて自動引き落としにしておくか、アコムのATMから返済を行うことが望ましいだろう。

キャッシュバック率は0.25%

ACマスターカードは、使用額の0.25%を直接減額して還元する方式をとっている。

例えばクレジットカードで100,000円分利用すると、250円分がキャッシュバックとして減額され、99,750円が請求金額となる。

即日発行可能

Webからの申請と、全国600以上の自動契約機『むじんくん』を利用することで、クレジットカードが即日発行できる。

手順としては、まずWeb上でクレジットカード発行のための登録手続きを行う。

この際に、運転免許証や健康保険証などの本人確認書類が必要となる。

また、審査のために収入証明書が必要になる場合がある。給与所得者の場合は源泉徴収票個人事業主や自由業の場合は確定申告書などがそれに該当する。

Web上での登録手続きを終えたら、最短30分ほどで『契約手続きのお願い』というメールが届くので、これを確認したのち『むじんくん』からカードを受け取ることができるようになるのだ。

クレジットカード即日発行に対応している『むじんくん』が近隣にない場合は、郵送による受取も可能である。

ただし、郵送の場合は手元に届くのに数日かかる可能性が高い。

利用明細書は郵送なしが選択可能

アコムのホームページから利用額を確認することができる。

明細書が自宅に届かないため、ゴミが増えず、またプライバシーも守れる。

利用明細書の受け取りに関する設定は変更も可能なので、クレジットカードを入手後、専用サイトから各自確認し、必要に応じて設定を変更してほしい。

カードローンも利用可能

アコムのキャッシング枠を使ったカードローンが利用できる。

一般のクレジットカードの場合、キャッシング枠はクレジット利用限度額と別建ての設定になっているが、ACマスターカードではキャッシング枠とクレジット利用限度額が同一の組み込みになっている。

例えば月に50万円のカード利用限度額を設定している場合、カードローンとして30万円借りると、今月クレジットカードで利用できる金額の上限は20万円となる。

また、カードローンとクレジットカード利用上限額に勾配をつけることもできるため、自身の生活パターン、収支パターンに合わせて上限額を設定することもできる。

銀行口座がなくても利用可能

ACマスターカードの大きな特徴は、銀行口座がなくても作ることができるという点である。

多くのクレジットカードは、自分名義の銀行口座とクレジットカードの情報を紐付け、利用額を自動で引き落とすに設定しておく必要があるが、それが不要なのだ。

銀行口座と紐付けずにクレジットカード利用、キャッシング利用する場合には、『むじんくん』、もしくは提携ATMから振り込みを行う必要がある。

毎月指定日の振り込み期日までに返済を行えば、手数料は無料となる。

ただし、振込が遅れてしまった場合は、遅延損害金(いわゆる延滞利息)を追加で支払わなくてはならない。

基本はリボ払いの設定

ACマスターカードのもう1つの大きな特徴は、基本的にリボ払いの設定になっているという点だ。

もちろん、最初の請求月で利用額を全て返済してしまえば一括払い同様となる。

上でも書いた通り、初月中に返済ができれば手数料は無料になるため、リボ払い手数料も不要である。

利息のことを考えると一括で払うに越したことはないが、もし遅延したとしても、手数料を支払って早急に前倒し返済しておくことで、支払い手数料総額を下げることにつながる。

ACマスターカードの申し込みはこちら

選べるブランドはMaster Cardのみ

ACマスターカードは、名前の通り『Mastercard』ブランドのクレジットカードだ。

アコムが発行しているクレジットカードはこの1種類のみであり、それ以外のVISAやJCBといったブランドのカードは存在しない。

何らかの理由でMastercard以外のものを持ちたいと強く希望するのであれば、ACマスターカードは選びづらいだろう。

ただし、Mastercardは国内はもとより国外でも使用できる場所の多いブランドのカードであるため、特にMastercardを避ける必要はないと思われる。

アコムのクレジットカードをおすすめできる人

ACマスターカードは、以下のような人におすすめだ。

他社のクレジットカードの審査に通らない

収入や銀行口座の有無、クレジットヒストリー(過去の借金履歴等)からクレジットカードの審査に通りにくい人がいる。

例えば消費者金融から数十万円の借金をしており、その返済が終わっていない、あるいは返済計画通りに返済が進んでいないような場合、クレジットカードの発行会社から許可が下りないケースがあるのだ。

こうした人でも作りやすいのがACマスターカードである。

クレジットカードとしての作りやすさは非常に高いので、他のカードの審査ではダメだった場合でも、ACマスターカードなら作れる可能性がある。

自分名義の銀行口座がない

一般にクレジットカードは、自分名義の銀行口座と紐付けを行って、利用金額はその口座から引き落としとなるように設定しておく場合が多い。

自分の配偶者(夫や妻)や親、子の口座であれば認められるケースもないわけではないが、基本的には自分名義の口座を要求される。

一方で、自分名義の口座を持っていない人もいる。

こうした場合、クレジットカードを作る難しさは各段にアップしてしまう。

ACマスターカードは、数少ない『自分名義の銀行口座がなくても作ることができる』クレジットカードである。

銀行口座と連結せずにクレジットカードの利用を申請した際には、アコムの自動契約機『むじんくん』、もしくは提携ATMから返済することとなる。

30日ごと、あるいは35日ごとの返済期日が定められており、そこに間に合うようにクレジット利用額を振り込むことで、クレジットカード使用にかかる手数料をゼロにすることができる。

アコムでお金を借りている・借りようとしている

アコムでお金を現在借りている、もしくはこれから借りることを検討している人にも、ACマスターカードはおすすめである。

クレジットカードを持つ際にはクレジットヒストリーが調査されることが一般的であり、消費者金融から現在借り入れを行っている人だと、審査に通らない可能性が少なからずある。

一方で、ACマスターカードの場合はこの審査が比較的緩く、申請が通る可能性が高い。

また、クレジットカード利用による前払金キャッシング利用による借入金をアコムに一元化することで、現在の自分の資産状況、借入状況が分かりやすくなる。

特に複数社から借入を行っている場合には、なるべく管理する先をまとめておくことで利率を下げることにもつながるし、総額を返済しやすい状態が作れる。

アコムのキャッシング専用カードもクレジットカードとして1枚にまとまるため、利便性は高い。

無料で即日発行のカードが欲しい

クレジットカードは、審査のために3日~1週間程度は発行に時間がかかる。

クレジットカードが手元になければ、当然クレジットカードを利用した決済はできない。

ACマスターカードは即日発行も可能なため、緊急でクレジットカードが必要になったという方にもおすすめできる。

また、発行手数料・年会費は無料なので、すぐに使えるクレジットカードを無料で作りたい、という人にちょうどいいカードである。

ACマスターカードの申し込みはこちら

アコムのクレジットカードをおすすめできない人

一方、以下のような人にはACマスターカードはおすすめできない。

リボ払いに抵抗がある

ACマスターカードは基本的にリボ払い設定になっている。

ATMで返済を行うのを忘れてしまったり、銀行口座の中に安定して残高がある状態でなかったりといった理由から一括返済ができなかった場合、リボ払いが適用される。

ACマスターカードのリボ払い利用手数料は、実質年率10.0~14.0%とリボ払いの中では良心的な設定がなされているが、それでも一括払いにせず放っておくと、年間10%以上利用額が増えてしまう計算だ。

強制的にリボ払いが可能な契約となってしまう以上、リボ払いというシステムそのものに抵抗を感じる人には、あまりおすすめしない。

ポイントキャッシュバックのメリットを享受したい

ACマスターカードは還元率が0.25%であり、還元率としては高い部類ではない。

中には還元率が『通常0.1%』と言うような超低還元率のカードもあるのでそれらと比べればまだましではあるが、スーパーマーケットなどが提携しているタイプのクレジットカードであれば還元率1.0%以上というのも割とありふれているため、かなり見劣りしてしまう。

ポイントキャッシュバックの恩恵に預かりたいのであれば、より高還元率のカードを探したほうがいいだろう。

ステータスの高いカードを持ちたい

ACマスターカードは、非常に作りやすいカードである。その分、ステータスというものはかなり落ちる。

例えば『アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード』は、ある程度高い収入や安定した金融資産などがないと手に入れることは難しく、社会的ステータスが示せるカードだ。

しかし、ACマスターカードにはそのような力はない。 Mastercardブランド自体の価値が下がるわけではないので使える店舗数が変わるわけではないが、第三者から一目置かれるようなカードにはならないので、そうした面で『良いカード』を作りたい場合は、別のカードを手配すべきだろう。

家族カード・ETCカードなどのサービスを希望している

多くのクレジットカードには、家族カードやETCカードなど、有償(まれに無償)で追加のカードを作るサービスが存在している。

しかし、ACマスターカードにはそのようなサービスが今のところ見当たらない。

また、クレジットカードにはそれぞれに応じて『付帯サービス』が付与される場合がある。

例えば空港ラウンジの使用ができたり、特定の店舗での利用でポイント付与率が2倍になったりといった特典だ。

ACマスターカードにはそうした特典はなく、0.25%のキャッシュバックがあるのみである。

個人がクレジットカードを利用すること以上のメリットは得られにくいので、その点については充分気を付ける必要がある。

近くに『むじんくん』がない

通える距離に『むじんくん』がない場合は、あまりおすすめできない。

ACマスターカードを銀行口座への紐付けなしで契約した場合、毎月クレジットカードの利用額を払い込みに行く必要がある。

コンビニのATMなどからも振り込みは可能だが、『むじんくん』以外の提携ATMから振り込む場合、都度手数料をとられてしまう。

例えばACマスターカードで10万円を利用すると、250円分のキャッシュバックを受けられることは先ほど説明した。

しかし、銀行ATMから振込を行うと、220円の使用手数料が取られてしまう。

つまり、差し引き30円しかキャッシュバックをされていないのと変わらなくなる。

実質の還元率は0.03%まで低下するのだ。

もし月のクレジットカード利用額が88,000円よりも低いと、キャッシュバック額よりもATM使用料のほうが高くなってしまう計算である。

銀行口座との連携を行わないのであれば、『むじんくん』が近くにないと、手数料だけでかなりの金額を取られてしまうということがわかるだろう。

審査に通りやすいクレジットカードが欲しい方におすすめ

ACマスターカードを申し込むことに大きなメリットがある人は、ほかのカード申請に通らなかった人、どうしても即日でクレジットカードが必要になった人が中心になるだろう。

特に、クレジットヒストリー上の問題で「これまでクレジットカードを持った経験がないためにカード作成ができない」という人には、救世主になりうる存在かもしれない。

しかしながら、ほかのクレジットカードを持てるのであれば、そこまで大きなメリットがあるとは思えない1枚だ。

理由はいくつか挙げられるが、特に大きいのは「低いポイント還元率」と、「リボ払いが前提となっている仕様」という2点である。

よく使うコンビニやスーパーと提携したクレジットカードを申請したほうが、還元率は断然高くなりやすいだろう。

また、リボ払いには利用率が設定されているため、一括払いに比べて支払総額が確実に増える。

得かどうかという観点だけで見ても、ACマスターカードは特別優れたカードではないことは明白だ。

それを踏まえたうえでも、「クレジットカードは必要だがなぜか審査に通らない」などの問題を抱えている場合は、申請してみることをおすすめする。

ACマスターカードの申し込みはこちら