仮想通貨が半減期の前後数ヶ月で他の資産よりパフォーマンスが良くなるという証拠は見つけられなかった。アルゴリズムを使った投資管理プラットフォームのストゥリクス・リバイアサンが分析結果を報告した。今後のビットコインの上昇要因として2020年の5月に推定されている半減期があげられている。

ビットコインのブロックを承認するマイナーに対する報酬は、21万ブロックごとに半減される。1ブロックあたり報酬50BTCで開始し、これまで2回半減が行われた。現在の報酬は12.5BTCで、報酬が6.25BTCになる次の半減期は、2020年の5月15日と推定されている

ストゥリクス・リバイアサンは、半減期をめぐりメディアやSNSでは以下のようなストーリーが展開されていると指摘した。

「マイナーへの報酬半減はマイナーからの売り圧力を減らす効果があり、それが需要と供給のバランスを崩すことで急激に価格が上昇する」

ストゥリクス・リバイアサンは、このストーリーが「幻想」である可能性を警告。ビットコインやライトコインなど半減期がある24の資産と他の240の資産のデータを集め、「リターン」、投資リスク(利益・損失)に対する利益率である「シャープレシオ」、投資リスク(損失)に対する利益率である「ソルティノレシオ」を算出した。

(出典:Strix Leviathan

分析結果によると、リターン、シャープレシオ、ソルティレシオにおいて、ビットコインとライトコインが他の資産のパフォーマンスを上回っているわけではない。また、ビットコインとライトコインのパフォーマンスは、半減期前と後では真逆になっている。

ストゥリクス・リバイアサン、「半減期→価格上昇」というストーリーは一見論理的な話に聞こえるが、仮想通貨という統計データが少ない業界において気をつけるべきことの1つと主張した。