モノのインターネット(IoT)に焦点を当てたオープンソースの分散型台帳(DLT)であるIotaは、そのネイティブトークンIOTAが11月29日に43%の急騰を見せた。この動きは、アラブ首長国連邦の首都アブダビにおけるIotaエコシステムDLT財団の設立とその登録が発表されたことによるものだ。これによりIotaは、アブダビ・グローバル・マーケットによって認可された初のDLT財団となった。
プロジェクトからのプレスリリースによると、財団はIOTAトークン1億ドル分を初期資金とする。トレーダーたちは、この発表と資金計画を短期的な強気の触媒として捉えたようだ。歴史的に見て、ブロックチェーンやDeFiプロトコルによるエコシステムと開発者へのインセンティブは、プロジェクトに流動性をもたらし、市場参加者のセンチメントを高める傾向がある。
例えば2021年8月、アバランチのAVAXトークンは、アバランチ・ラッシュというDeFiインセンティブプログラムの発表後に1400%の急騰を記録した。同様の結果は、2022年12月にDeFiプロトコルのトレーダージョーがアービトラムへの展開計画を発表した後、トレーダージョーのJOEトークンでもみられた。
現在、アービトラムエコシステムは流動性と開発者向けのインセンティブを提供しており、これらの取り組みはARBトークン価格の最近の62%の上昇となった。
IOTAへの関心復活となるか
11月30日、仮想通貨デリバティブデータプロバイダーのCoinalyzeは以下のIOTAチャートをツイートし、「IOTAの資金調達率とロング・ショート比率が歴史的な低水準にある」と指摘した。
$IOTA
— Coinalyze (@coinalyzetool) November 30, 2023
Funding Rate and Long/Short ratio at historical low! pic.twitter.com/wloZNoLMxu
トレーダーはしばしば、資金調達率とロング・ショート比率をセンチメントの尺度や、投資家がどのようにポジションを取っているかの指標として解釈する。この文脈で、低い資金調達率は過剰なショートポジションを反映しているとみなされ、このような状況では、ポジティブなニュースや価格イベントがすばやく価格反転を引き起こし、ショートトレーダーをポジションから追い出すことがある。
Coinalyzeのチャートと標準的なローソク足の日足チャートを比較すると、特に11月29日の大量購入のローソク足がこのダイナミクスを反映しているように見える。

直近の価格ブレイクアウトもあったものの、IOTA価格の週足チャートはトレーダーの視点からプロジェクトへの関心の低さを示している。仮想通貨は、メインネットのアップグレード、マルチチェーンの拡張、資金調達の発表、開発者向けのインセンティブに先駆けて価格が急騰する長い歴史がある。IOTAにとってもこれが当てはまるかどうかは、今後の展開を見る必要があるだろう。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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