世界の銀行規制を担うバーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、「暗号資産は成熟していない資産クラス」であるとし、銀行に対して仮想通貨の慎重な取り扱いを求めている。12月12日にディスカッションペーパー発表した

バーゼル委員会は、日米欧などの銀行規制当局により構成されている組織。世界の銀行規制の枠組みを策定するのがその役割だ。今年11月に銀行が仮想通貨保有するリスクの調査を開始しており、今回のペーパーはその結果だ。

新しいペーパーの中で、バーゼル委員会は仮想通貨や関連サービスの成長が金融の安定性に悪影響を及ぼし、銀行のリスクを増大させる可能性があると主張している。

「暗号資産は絶え間なく進化し、標準化が欠如していることから、未熟な資産クラスである。特定の暗号資産は高いボラティリティを示しており、流動性リスク、クレジットリスク、市場リスク、運用リスク(詐欺やサイバー犯罪のリスクを含む)、マネーロンダリグとテロ資金調達のリスク、法的およびレピュテーションのリスクなど、銀行にとってリスクをもたらすものだ」

さらに、バーゼル委員会は、銀行が暗号資産の取得もしくは関連サービスの提供する際には、(特に高リスクなトークンの場合には)慎重に取り扱う必要があると指摘している。

委員会は、仮想通貨を担保として受け入れないことや、流動性カバレッジ比率(LCR)・安定調達比率(NSFR)といった銀行の流動性基準に仮想通貨を含めないことを提案している。

またステーブルコインについては「慎重な取り扱いを指定する前に、さらなる評価を行う必要がある」としている。また中央銀行デジタル通貨(CBDC)については今回の規定の対象外だ。

バーゼル委員会では、今回のペーパーで示した提案について、来年3月末までパブリックコメントを募集する。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン