中国の仮想取引所大手「火币(フオビー)」が31日の同国内取引所閉鎖に先立ち、公式ブログにおいてコメントを発表した。

この投稿の中で、中国国内業務は今後「中国のユーザーに専門的かつ高度で進歩的なブロックチェーン技術の開発と応用についての技術資料、コンサルタント、研究と教育の研修等のサービスをワンストップで提供」するとしている。

また同社代表の李林(リーリン)氏は、今回の閉鎖は記念すべきマイルストーンとし、次のように述べた。

(今回の取引所閉鎖は)火币の発展における重要なマイルストーンとなるだけでなく、中国における仮想通貨の発展史における、また世界的な仮想通貨の発展史における記念すべき日となることを信じている。

11月1日には、同社だけでなく、BTCChinaやOKCoinを含むすべての仮想通貨取引所が姿を消す予定だ。

一方で、国外で登記したHuobi-Pro社が中国大陸ユーザーにもアクセス可能なサービス提供再開するという情報も流れている。

李林(リーリン)氏は暗示するかのように、次のように続けた。

過去四年間の発展と業績は、火币を世界的な競争力と影響力のある仮想通貨の総合サービスへと成長させた。世界各地の130の国家から来た数百万のユーザーに優良なサービスを提供しており、シンガポール、韓国、香港、中国等、多数の国家と地域において独立した取引所と運営センターを設けている。技術プラットフォーム、製品ライン、リスクヘッジ、運営とユーザーサポート等において、火币は世界中の同業と比べて一歩先を進んでいる。

実際、フィンランドに本社を置くP2Pベースの仮想通貨取引所に中国からのユーザーが押し寄せているようだ。

Weekly LocalBitcoins Volume

李林(リーリン)氏は投稿を以下のように締めている。

火币ユーザーの一人一人に感謝する。協力したすべてのパートナーに感謝する。あなたたちの、そしてわたしたちの努力は無駄ではないから。わたしたちは諦めないことがその存在価値だ!

発表されたコメントの全文は以下の通り。(コインテレグラフジャパンによる和訳)

火币ファウンダー李林:2017年10月31日以降の中国地区業務内容の調整について

尊敬するユーザー、パートナー、Huobiで働く仲間へ:

2017年9月4日、中国人民銀行等の公的機関は「ICO (イニシャル・コイン・オファリング、仮想通貨で広く資金調達する手法) による融資リスク防止についての公告」を公布し、中国国内におけるICOと仮想通貨による取引の全面的な中止を要求した。2017年9月15日、Huobi中国チームは正式に監査部門の通知と指導を受け、その日のうちに新しいユーザーの登録と人民元によるビットコインの取引を暫定的に停止した。明日、2017年10月31日、Huobi中国はすべての仮想通貨の人民元への交換業務を24時間全面的に停止する。

わたしたちはこれがHuobiの発展における重要なマイルストーンとなるだけでなく、中国における仮想通貨の発展史における、また世界的な仮想通貨の発展史における記念すべき日となることを信じている。

インターネットはメディアにおける情報の平等化を促し、人類は個人でもメディアを持てる時代に突入した。仮想通貨とブロックチェーン技術は金融取引における信用の平等化を促し、人類は個人で独自の通貨を持てる時代に突入した。予測できる将来のうちに、世界的な金融取引に対する規制は、単一の機関による立法と規制から、個々の金融取引による立法と規制へと発展するだろう。

仮想通貨による取引は技術とインターネット金融が融合した新しい業態として、世界的に大きな反応を引き起こし、全世界の金融システムに変革をもたらした。

しかし、歴史において必然は偶然、偶然は必然である。近年、中国における実体経済の停滞、金融システムの混乱は、本来なら実体経済の発展を益するはずの資金と資源が各種の資本市場の病的な投機活動に吸い寄せられる事態を招いた。2015年の後半以来、中国の金融市場は仮想から実体へ、金融リスクを強く規制する監査強化の時代へと突入した。わたしたちはビットコインに対する厳しい制限は中国政府の現在の態度と現状に符合するものだと考えている。習近平 (シー・チンピン) 総書記が全国金融安全作業部会の会議で発表した講話は、金融業の発展における目標と方向性をより一層はっきりと示した--「金融システムの改革をより一層進め、金融サービスの実体経済能力を強化する。健全な金融システムの監査体制を確立し、システム的な金融リスクの発生を防止する最低ラインを死守する」。

こうした大きな歴史的な背景のもとで、Huobiで働く仲間たちは皆、仮想通貨の高い効率と便利さが「諸刃の剣」であることをはっきりと意識しているだろう。この剣は効率的な金融サービスを提供する一方、同時にマネー・ロンダリングや詐欺など非合法な活動にも利用され得る。そのため、わたしたちはどんな国でどんな仕事に携わるとしても、Huobiの正直さと厳格さ、そして革新性に留意し、それを忘れてはならない。わたしたちは合法的な活動を堅持するという前提のもと、「悪を行わない」を最低の行動基準として、ユーザーに対して合法で安全な優良な製品とサービスをこれからも提供していく。

ここ最近のひと月の間、中国市場の変化についての各種の流説やうわさが微信 (WeChat) や微博 (Weibo) で頻繁に飛び交った。Huobi中国の400のサポート電話も鳴り止まなかった......各種の質問や疑問に対して、中国チームは迅速に対応策を定め、各プロジェクトに対して必要な処置を積極的に実行した。Huobiの中国における取引プラットフォームはこの突発的な状況下においても安定して機能している。過去、Huobiは中国における仮想通貨の一つの重要な指標及びシンボルだった。現在、仮想通貨1.0時代が終わった。Huobiは引き続き休むことなく世界的な仮想通貨の発展と進化に積極的にコミットメントしていく。

過去四年間の発展と業績は、Huobiを世界的な競争力と影響力のある仮想通貨の総合サービスへと成長させた。世界各地の130の国家から来た数百万のユーザーに優良なサービスを提供しており、シンガポール、韓国、香港、中国等、多数の国家と地域において独立した取引所と運営センターを設けている。技術プラットフォーム、製品ライン、リスクヘッジ、運営とユーザーサポート等において、Huobiは世界中の同業と比べて一歩先を進んでいる。

現在、Huobiが世界的に展開している業務は以下の通り:

1. Huobiグローバルセンターは、世界中のプロ投資者が仮想通貨の取引を行なうプラットフォームとしてサービスを提供しており、優良な仮想通貨への投資機会の発掘に注力している。現在のところ、十数種の仮想通貨の取引と投資サービスを提供しており、シンガポールに本部を置いている。香港には子会社はなく、Huobiグローバルチームが運営を担当している。

2. Huobi韓国は韓国ウォンと仮想通貨の取引プラットフォームとして、ユーザーに対して優良かつ迅速な韓国ウォンの仮想通貨への交換サービスを提供することに注力している。本部は韓国ソウルにあり、Huobi韓国チームが運営を担当している。

3. Huobi中国は、ブロックチェーン技術における専門的かつ総合的なコンサルタントとサービスプラットフォームの研究を行なう拠点へと全面的に移行した。中国のユーザーに専門的かつ高度で進歩的なブロックチェーン技術の開発と応用についての技術資料、コンサルタント、研究と教育の研修等のサービスをワンストップで提供している。本部は北京にあり、引き続きHuobi中国チームが運営を担当する。

4. Huobiウォレットは、ユーザーに安全で便利かつ迅速な仮想通貨の管理サービスを提供している。運営と管理を行なうチームはブロックチェーン技術における長年の経験を持ち、多重の安全対策によりユーザーの資産を保護、各種の仮想通貨による貯金サービスを提供すると同時に、行き届いていて使いやすい、また迅速な使用体験を提供することに注力している。本部は北京にあり、Huobiウォレットチームが運営を担当している。

5. Huobiグローバルアメリカセンターは、中国におけるサービス撤退業務が完了した後、世界中の資格を持つ投資者に対してアメリカドルによる仮想通貨の取引サービスを提供する。

過去を振り返らず、未来を恐れない。

長い時間が過ぎてわたしたちが年老いた時、今日のことを思い返すなら、不確定な未来に挑戦し、金融テクノロジー変革の期待と夢に満ち、激情と情熱を抱いたわたしたちの名前が歴史に残っているだろう。

Huobiユーザーの一人一人に感謝する。協力したすべてのパートナーに感謝する。あなたたちの、そしてわたしたちの努力は無駄ではないから。わたしたちは諦めないことがその存在価値だ!

この時代に対して敬意を、すべての「仲間」に敬意を!

Huobi創業者 李林 (リー・リン)