仮想通貨取引所フォビの慈善部門「フォビ・チャリティ」が4月2日、新型コロナウイルス(COVID-19)との戦いを支援する取り組みを発表した。同取引所は、ニューヨークをはじめとするホットスポット(感染確認者の急増地域)に対して、金銭的貢献、医薬品の寄付、ブロックチェーン技術による医療機関・病院・第一線の医療従事者支援などを行う。

フォビ・チャリティを率いる、フォビのグローバルビジネス担当副社長のシアラ・サン氏は、新型コロナウイルスのパンデミックが「産業、社会的地位、経済的地位、国籍に関係なく、世界中のあらゆる人々に影響を与えている」と強調した。ニューヨークの病院ネットワークや大学などとすでに交渉を始めているそうだ。

サン氏は、「最前線で働く医療従事者のため、何百万もの生命が危険にさらされている人々のため、我々は協調した努力を必要としている。より広範なブロックチェーンおよび仮想通貨コミュニティに、新型コロナウィルスとの戦いに参加してほしいと考えている」と語った。

フォビ・チャリティ、インドネシアで支援開始

フォビ・チャリティは、当面の活動として深刻な医療資源不足が生じているインドネシアの支援を行う。地元病院が医療品の購入と配布を行えるよう、インドネシア・中国経済社会文化協力協会(ICAESCC)に約5万ドル(役542万円)相当の独自仮想通貨フォビトークン(HT)を寄付する。

同国では、インドネシア大学の公衆衛生専門家が、十分な措置が講じられない場合、24万人以上が死亡する可能性があるとの調査を3月31日に発表。これを受け同国政府は、外国人の入国禁止措置を実施している。この調査では、対策次第で志望者数が1万2000人から4万8000人に減少する可能性があると推測されているという。

フォビのインドネシア子会社が寄付ポータルサイト開設

またフォビ・インドネシアは、ICAESCCに法定通貨または仮想通貨、物資を寄付できるポータルサイト(英語・中国語・インドネシア語)を開発した。同社はICAESCCとともに管理とプロモーションを行い、病院および医療従事者に医薬品や防護服を配布する予定としている。

フォビ・チャリティが活動内容や寄付情報を開示

フォビ・チャリティは、武漢など中国における新型コロナウイルスの流行に対応すべく、2020年1月下旬に設けられた組織だという。地元病院および医療従事者が医薬品および防護服を調達できるようにするため、1000万元(約1億5200万円)を拠出したそうだ。

また、フォビのボランティアチーム「フォビ・ナイツ」およびコミュニティメンバーは、国内外の医療系サプライヤー90社以上からの調達を支援した。フォビ・チャリティは、2000個の赤外線温度計、5万3830着の防護服、13万340個の医療用マスク、120万ペアの医療用手袋、15トン消毒液、8トンの医療用アルコールなどを135以上の病院および医療センターに直接寄付した。

なお設立当初は、緊急時のため活動内容や寄付などの情報を公開してこなかったものの、運用の透明性を高めるため詳細な記録の提供を開始したそうだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン