フォビ 仮想通貨取引所ビットトレードを買収 市場の声は?

香港法人であるフォビ・ジャパン・ホールディングスが12日、金融庁に登録済みの仮想通貨取引所ビットトレードを実質的に買収したことが明らかになった。世界最大級の仮想通貨取引所フォビにとって、日本の仮想通貨市場進出への大きな足がかりになると見られる。ただ、市場関係者の間では市場へのインパクトは限られているという見方が出ている。

フォビはこれまでは中国の規制の目をかいくぐり、仮想通貨対仮想通貨の取引に特化してきた。今後の日本進出がうまくいけば、初めて合法的に法定通貨とつながる取引プラットフォームをもつことになる。ある業界関係者はコインテレグラフ日本版の取材に対して「フォビはもともと金融庁の登録取得を進めていたが、当局の人的リソースの関係もあり、進んでいなかった。時間を買った形だろう」と話した。

ビットトレードのプレスリリースによると、ビットトレードの親会社であるFXTFアセット・インベストメンツ・プライベイート・リミテッドの株主トゥルー・ジョイフル・リミテッドからフォビ・ジャパン・ホールディングスに株式が100%譲渡される。フォビ・ジャパン・ホールディングスの代表者として書かれているのはクリス・リー氏で、かつて大手の仮想通貨取引所OKEXのCEO職を勤めていたが、5月にライバルのHuobi(フォビ)の取締役会秘書および国際市場開拓の要職についた。

今回の株式譲渡により、ビットトレードの株主構成は、FXトレードが引き続き25%の株式を持ち、フォビ・ジャパン・ホールディングスが実質的に75%を持つことになる。ビットトレードの代表取締役会長に日本のフォビ株式会社の代表取締役である陳海騰氏が就任する。

買収額は明らかにされていない。またフォビ・ジャパン・ホールディングスと仮想通貨取引所フォビの資本関係はない。

リー氏は、英語版のプレスリリースで次のように述べた。

「これはまだ始まりに過ぎない。ビットトレードのリーダーシップと日本政府に認可されたライセンスをてこに、我々はビットトレードが日本の仮想通貨市場でナンバーワンの座を勝ち取るために成長させることを目指している」

フォビは、2013年に設立して以来、取引高は1兆ドル(約111兆円)を記録。一方、ビットトレードは仮想通貨交換業者として金融庁に登録されていて、5月に内部管理態勢の充実や仮想通貨関連サービスの拡充を進めるため、シンガポールの事業家チェン・リェ・メン・エリック氏に経営権を譲渡していた。

ただ今回の買収劇について市場の反応は冷ややかだ。ある仮想通貨取引所の関係者は、コインテレグラフ 日本版の取材に対して「(フォビが国内の仮想通貨取引所を買収することは)想定はしていたが、市場への影響は微小。来年以降、取引所自体が利益が上げにくくなるビジネスになる中、取引所のバリュエーションもさがっており買収額もそんなに大きくないのでは」と語った。

また外資系投資銀行勤務で仮想通貨に詳しい中国人トレーダーも今回の動きについて、「相場の流れを変える大きな影響はない」とみる。「市場の関心は仮想通貨そのものではなく仮想通貨デリバティブに移っている。中国発の取引所はデリバティブには詳しくないので今後も優位にたてる保証はない。そういう意味では米国の仮想通貨取引所の動きに注目している」と述べた。

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