香港、資本規制の恐怖からビットコイン購入か、仮想通貨ATM利用は足元伸びず【独自】

香港でのデモの激化とビットコインの関係が注目されているが、香港ビットコイン協会(The Bitcoin Association of Hong Kong)のレオ・ウィース会長は、資本規制への懸念からビットコインを買う人は増えていると述べた。30日にコインテレグラフ日本版の取材に答えた。

資本規制への懸念高まる

ウィース氏によると、香港ではデモが過激になる中、一部の人々の間でビットコインを買う動きが見られるという。ただ、抗議活動の一部として買うのではなく、香港が資本規制(Capital Control)を導入する可能性への懸念からの買いだという。

「(資本規制が敷かれると考えるなら)ビットコインを後で買うより今買った方が良い

資本規制は、国内の金融機関から資金が急激に流出することを防ぐために、銀行の預金引き出しや海外送金などへの資金の移動を制限する規制だ。

一方、ウィース氏は、プライバシーの保護目的でビットコインを買っているとは思わないと指摘。「日々の取引には、現金の方がもっと重要だ」との見方を示した。

香港のデモ隊の間では、政府による取引データの監視を避けるためにビットコインが買われているという報道があった

【関連記事:キャッシュレス先進国での政府との戦い方 香港デモ隊が仮想通貨ビットコインを選ぶもう1つの理由

ウィース氏によると、香港政府が「緊急状況規則条例(Emergency Regulations Ordinance )を使って資本規制をするかもしれないと人々は不安視している。この条例は、行政長官が緊急事態と判断すれば、議会の同意なしであらゆる規制を導入できるというものだ。

現在、香港の行政長官は、林鄭月娥(キャリー・ラム)氏だ。

また、すでに預金引き出し規制を提案した議員もいる。

24日付のハーバー・タイムズによると、香港特別行政区立法会のクリストファー・チェン ワーフン議員は、香港のデモ隊の一部が香港ドルを預金から引き出して米ドルに交換したり中国系企業が出資する銀行の口座を閉鎖したりしたのを受け、金融システム安定のために現金引き出しを制限するなど資本規制を提案した。

さらに香港金融管理局は28日、「香港の金融システムの安定化と一体化」を守るため、一時的に香港ドルの流動性を関係機関に対して提供できる枠組みの存在について再び言及した

仮想通貨ATM利用者は増えず

香港で仮想通貨ATMを手がけるジェネシス・ブロック(Genesis Block)のウィニー・ロー氏によると、デモの激化による仮想通貨ATM利用者増は確認されていない。

実際、ATMでの取引量は若干減少した。一部のATMがデモのエリアに位置しているためだ」

またロー氏は、香港ドルを米ドルに交換する動きが出た8月16日にも、仮想通貨ATMの取引量の増加は確認されなかったと述べた。

同氏によると、「デモ隊のほとんどはビットコインが何か分かっていない」。購入するとしても、「分散型の価値を信じている」からではなく、「投機目的だろう」と述べた。

ただ、「一部の組織が寄付の手段の一つとして仮想通貨の受け取りを考え始めた」と前向きな見方も示した。

既報の通り、ジェネシス・ブロックは、7月、ビットコインキャッシュ(BCH)で世界から集めた寄付金を使ってデモ隊に水を配布した。

関連記事:香港デパート、ビットコインなど仮想通貨の受け入れ開始 抗議活動の象徴として認識高まるか