香港の個人情報保護委員会(PCPD)は、ワールドコインの香港での活動について、「個人データのプライバシーに重大なリスクがある」として調査を開始したと発表した。

PCPDは調査の一環として、香港にあるワールドコインが管理する6か所の施設の立ち入り調査を行った。委員会は文書と情報の提出を要求し、香港の住民に対して、自分たちの生体データがどのように使用されるかを考慮するよう警告した。ワールドコインは、ユーザーが自身の身元を確認するため、「オーブ」という機器を使って虹彩スキャンをさせる。

PCPDは、「香港でのワールドコインの運営は個人データのプライバシーに重大なリスクをもたらし、関連組織による機敏な個人データの収集と処理が、個人データ保護の要件に違反している可能性がある」と指摘している。。

PCPDによると、ワールドコインが管理する個人データは「プロジェクトの機能または活動に関連する合法的な目的のためにのみ収集されなければならない」という。

香港のワールドコイン施設に入るPCPDの職員. Source: PCPD

ワールドコインは2021年に発表され、2023年7月の公式ローンチ前に200万人以上が登録した。プロジェクトは多くの国の規制当局からプライバシーに関する懸念を引き起こしており、ケニアでのサービスを一時停止し、インドでは虹彩スキャンを一時中断した

ワールドコインによると、2023年12月時点で500万人以上がアカウントを作成している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン