仮想通貨ビットコインは最近の安値である32400ドルから反発し、37200ドルと15%の上昇を記録した。これまで低い価格レンジで動いていたビットコインだったが、この動きは強気につながるような印象的な上昇だった。多くのトレーダーがこの動きに追随すると思われた。
しかし一方で、ビットコインが上昇の動きをした際に、トップトレーダの多くがショート(売り)ポジションを開いたため、再び反落した。42000ドルの史上最高値を再トライする可能性が低いとしても、イーサが史上最高値を更新しているために、ショートに賭けるのはリスクが高いはずにも関わらずだ。

イーサリアム2.0や分散型金融への期待感から、ビットコインからイーサに資産を移している可能性が高い。しかしビットコインとイーサリアムの取引量はほとんどの場合、連動している傾向がある。
ソーシャルメディア分析のザ・タイのデータによると、「ビットコイン 購入」というワードのグーグル検索数が過去最高を記録したことが明らかになった。同社によると、過去3ヶ月で仮想通貨関連のソーシャルメディアの活動が135%増加しているという。
こうした強気要素に加え、決済大手Visaが、デジタル銀行などと仮想通貨取引でのパートナーシップが発表された。この他にもコインベースから15200BTCが出金されたことが強気の要素であると、クリプトクオントが指摘している。この出金は機関投資家がコールドウォレットにビットコインを蓄積している可能性を示しているという。
一方でこれらの強気要素は取引所のロング・ショート比率とは対照的だ。この指標からはプロトレーダーが強気なのか、弱気なのかを知ることができる。

上記の図から、過去3日間で全ての取引所のプロトレーダーがショートポジションを増やしていることが分かる。
大口投資家やマーケットメイカー、アービトラージデスクがコールドウォレットやグレイスケールのビットコイン投信のポジションを保有していたとしても、ロングショート比率からは、BTCが短期的に38000ドルを突破して40000ドルレベルを目指すかどうかについては自信がないことが示される。
さらに最近のイーサの上昇は、トレーダーがビットコインからイーサに資産を移したことによって起きた可能性が考えられる。これは2月8日にシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でイーサリアム先物が取り扱い開始になることを考慮すると当然の動きだろう。
ただ、トレーダーがより良い利回りを求めてビットコインを取引所の外に移動させた可能性もあるため、全員がショートポジションに変えたとも言い難い。
もし、トレーダーが実際にビットコインのショートポジションを保有していたとすれば、デリバティブ市場にはその兆候が見られるだろう。しかし実際には5日に満期を迎える10億ドルのオプションは、現時点では強気派にとって依然有利を示している。
ここに記載されている見解や意見は筆者のものであり、必ずしもコインテレグラフの見解を反映したものではありません。すべての投資や取引にはリスクが伴います。投資を行う際には、ご自身で調査を行う必要があります。