元ゴールドマンサックスのパートナーで7兆円ファンドでの運用経験もある米投資家マイク・ノボグラッツ氏が、今月予定していた580億円規模の仮想通貨ファンドの立ち上げを延期するとした。ビットコイン価格が本格的に反発するまでに一度8000ドルまで下げる可能性を根拠に挙げている。

 今週の強烈な下げが頑固な仮想通貨支持者にも懐疑の念をもたらしているのかもしれない。

 フォーブスに1000億円以上の資産を有するビリオネアとして認定されたことのある同氏は、長年ビットコイン強気派だ。同氏は今年に入ってビットコインの予想価格を何度も引き上げており、18年中の4万ドル到達を予測していた。

 ノボグラッツ氏が計画していたファンドは実現すれば仮想通貨特化型ファンドしては最大になっていたはずだ。

 同氏は23日ブルームバーグとのインタビューの中で、「市場環境が良くないので計画を再検討した。一時停止ボタンを押すことが賢明だと思う」と述べた。

 一方で、市場環境以外に利益相反の問題も挙げており、ファンド立ち上げの一時停止は単純に相場が原因だけでもなさそうだ。

 ノボグラッツ氏はビットコインが50ドル、イーサリアムが0.3セントの時から投資している早期投資家だが、17年中に一部売却しており約280億円を得たとされる。

 同氏はビットコインは8000ドルまで下げたあと、時間をかけて再び回復。その後1万~1万6000ドルで推移すると見ている。

 ゴールドマン出身のノボグラッツ氏はウォール街のベテランであり、見習うことが賢明かもしれない。