HBARファウンデーションとアルゴランドファウンデーションなど、ヘデラおよびアルゴランドのエコシステムの主要プレイヤーが、仮想通貨の分散型リカバリーシステムを構築するために「DeRecアライアンス」を発足させた。
1月11日にサンモリッツで開催されたクリプト・ファイナンス・カンファレンスで、ヘデラの共同創設者であるリーモン・ベアード氏とアルゴランドファウンデーションのCTOジョン・ウッズ氏によるパネルディスカッション中にこのアライアンスが発表された。
2人によると、DeRecアライアンスは、従来のWeb2のエクスペリエンスに沿った形で、仮想通貨の保護と回復のプロセスを合理化することを目指している。
ベアード氏は、すべてのブロックチェーンと業界が複雑さを排除しながらWeb3に安全性をもたらすため、標準とオープンソースのコードを作成するべきと主張した。
同氏によれば、仮想通貨業界は、ユーザーが鍵を回復することを容易にする必要がある。「全てのブロックチェーンが協力し、全ブロックチェーンの全ウォレットソフトウェアで互換性のある標準を作り出すべきだ」とコインテレグラフに語った。ベアード氏は、ヘデラとアルゴランドが始まりに過ぎず、「すでに銀行、複数のウォレットソフトウェアプロジェクトが関与している」と言う。
DeRecアライアンスとともに、秘密管理の標準化されたアプローチとして、分散型回復(DeRec)オープンソースプロトコルが導入された。これは、友人や企業などの指定されたヘルパー集団間での秘密共有の考えに基づいており、必要に応じてユーザーが秘密を回復できるようにする。各ヘルパーの共有は元の秘密についての情報を明かさず、ユーザーが回復デバイスを失っても回復を保証するシステムだ。
ウッズ氏はこの取り組みについて、「シームレスなユーザー体験は、どんな素晴らしい製品において核となる...自己主権に伴うリスクを最小限に抑えつつ、使いやすさを最大限に高める必要がある」とコメントした。
DeRecプロトコルは、ヘルパーが秘密の共有を保持していることを自動的に確認し、秘密が変更されたりヘルパーが参加または離脱した際に自動的に再共有する機能を備えている。さらに、ヘルパーの身元や数を明かす必要はなく、ヘルパー自身も互いに認識しない。
この開発は、分散型金融(DeFi)スペースがセキュリティ問題に引き続き取り組んでいる中で行われた。1月10日には、米国のデリバティブ市場を規制する商品先物取引委員会(CFTC)が、DeFi関連リスクを軽減するために政策立案者と業界プレイヤーへの推奨事項を含む報告書を発表した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン