今日は中華圏における旧正月だ。この機会に旧暦カレンダーにおける酉年を振り返ってみよう。

 2017年初、ビットコインは1000ドルに過ぎなかった。動きがあったのは第二四半期で、価格とボラティリティが高まっていった。主要メディアでも少しづつ取り上げられるようになっていったのはこの頃だ。

 昨年5月にはビットコイン価格は年初から比べて倍になり、ライトコインも3ドルから25ドルに伸びた。イーサリアムに至っては14倍の価格上昇を見せていた。

ICOがブームに

 春先から新たな資金調達手法であるICOが勃興し、新たなコインやトークンが市場に出回り始めた。4月にはICO市場は6000ドルから1.5億ドル(約160億円)にまで成長した。

 新たに多くの資金が仮想通貨市場に流れ込み、既存のコイン価格も押し上げた。

ビットコイン「内戦」の終焉

 ビットコインの人気が高まる中、裏ではスケーラビリティ問題を解決するための手法を巡って、ビットコインコミュニティ内の「内部闘争」が勃発していた。ハードフォーク(新たな分岐コインの創出)かUASF(セグウィット)かで揉め相場も下落したが、結局8月1日にビットコインキャッシュが誕生し、セグウィット実施も開始された。市場はこれを好感し上昇を続けた。

 11月にはセグウィット2xもキャンセルされ、ビットコインコミュニティ内部の対立に起因していた不安感は解消された。

中国政府による仮想通貨取引・ICO禁止令

 また昨年注目を集めたのは中国政府による規制の動きだろう。それまで世界最大級の仮想通貨市場だった中国でICOや仮想通貨取引所の運営が禁止となった。

 この後ロシア政府も続いたが、それまでに相場は下げきっており再び上昇に転じていた。ロシアが仮想通貨取引所を禁止するというニュースに相場はびくともしなかったほどだ。

「怪物的」上げ相場到来

 ビットコインは悪材料となるニュースを振り切って上昇を続けた。11月に1万ドルを突破し、その後18日間でなんと2万ドルまで騰げるという「怪物」相場を演じた。

大きな調整と「アルトコイン」ブーム

 大きな材料だったのが米CMEにおけるビットコイン先物の上場で、機関投資家マネーの流入を期待する個人投資家が相場に参入した。

 だがそこがまさに天井になったようだ。ビットコインは2万ドルを付けてから急落し13000ドルまで下落。

 一方でアルトコインが大ブームになり、ビットコインキャッシュ、リップル、イーサリアムのような仮想通貨が上昇する一方で、多くの「草コイン」売買も活況となった。

中国の旧正月休暇シーズンが終わってからの展開に注目

 その後1月を通してビットコインとアルトコインは揃って調整局面に入った。毎年中国の旧正月の前にビットコインの調整が起こっており、今年の下落にも旧正月要因があるのではという声も聞かれた。

 1万ドル割ったあたりで韓国やインドにおける仮想通貨関連規制を巡る混乱があり、ビットコインは弱い動きを続けた。

 そんな中ビットコインは6200ドルを付け「死の宣告」をする論者も現れたが、旧暦の新年の今日、再び上げに転じて1万ドルを突破した。

 旧正月の休暇シーズンが終わった後の展開に注目だ。

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