分散型金融(DeFi)で最大の攻撃となる可能性がある事件が起こった。ハッカーがクロスチェーンプロトコルのPolyネットワークを悪用して、3つのチェーンから少なくとも6億ドル相当の仮想通貨を奪ったという。
Polyネットワークのツイッターの投稿によると、この攻撃によってバイナンスチェーン、イーサリアム、ポリゴンネットワークから仮想通貨が奪われた。ハッカーがイーサリアムから約2億7300万ドル、ポリゴンネットワークから8500万ドル、バイナンスチェーンから2億5300万ドル盗まれたという。
中国のサイバーセキュリティ企業SlowMistは、このハッキングの情報を追跡している。SlowMistによれば、ハッカーの最初の資金源はモネロ(XMR)であり、それがバイナンスコイン(BNB)やイーサリアム(ETH)、MATICに交換されたという。
SlowMistはこの攻撃が「長期的に計画され、組織化され、準備された攻撃である可能性が高い」と述べている。
ハッカーはまた、イーサリアムのトランザクション記録を通じて少なくとも3つの奇妙なメッセージを投稿している。イーサスキャンのデータによると、彼らは資金の一部を返還することも検討しているようだ。
既に関連するアドレスは特定されており、主要な取引所はこの事件へのサポートを表明している。仮想通貨取引所OKExのジェイ・ハオCEOは、同社のチームが「コインの動きを監視」していると述べている。テザーのパオロ・アルドイノCTOは、関連するアドレスの1つで3300万ドル分のテザーを凍結したと述べている。大手取引所バイナンスのジャオ・チャンポンCEOも、「積極的に支援する」と表明している。
昨年立ち上がったPolyネットワークは、オントロジーやNeo、Switcheoによる共同プロジェクトであり、ブロックチェーンをより大きなクロスチェーンエコシステムに統合することを目的としたものだ。このプロトコルにより、ユーザーは異なるブロックチェーン間でトークンを交換できる。