仮想通貨投資ファンドのグレイスケールが16日に発表した四半期レポートで、2020年第1四半期に5億3370万ドル(約576億円)と過去最高の資本流入があったことを報告した。世界経済が大きく変化する中で投資家がポートフォリオに仮想通貨を入れる必要性を感じているようだ。

特にオープンエンド型の投資信託である「グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)」が3億8890万ドル(約420億円)でトップだった。これまでで最も多かった2019年第3四半期の2億5480万ドルを大きく上回った。ただ、3月の後半ではビットコインよりもイーサリアムが上回っており、投資家の嗜好の変化が見られた。グレイスケールでは今月に入って、イーサリアムで500%を超えるプレミアムが発生した

グレイスケール

(出典:グレイスケール)

グレイスケールのマイケル・ソネンシャイン氏は今回の業績はデジタルアセット分野への機関投資家による関心の高まりを示していると指摘する。レポートによると、設立以来のインフローの約90%は機関投資家によるもので、ヘッジファンドや仮想通貨投資家、ファミリーオフィスなどに分類されるという。

ソネンシャイン氏は、2020年の第1四半期は様々なタイプのクライアントが拡大したと述べた。これまでのところ、流入の46.5%以上が複数銘柄の投資家からの流入だった。報告書によると、Cryptoに特化した投資家は流入の11.2%。

仮想通貨メディア、ザ・ブロックによると、機関投資家全般で同様の傾向が見られるとしている。ビットワイズ・アセットインベストメントのテディー・フサロCOOは米連邦準備制度理事会(FRB)による大量の資本注入や政府の景気刺激策などによって、投資家がポートフォリオの再考を余儀なくされていると指摘した。

「今、お金が動いている。人々はシフトしようとしている」