仮想通貨(暗号資産)ファンドのグレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)による新しいレポートは、現在のビットコイン(BTC)の市場構造は「歴史的な強気の動きを始める前の2016年の初めのものに匹敵する」と主張している。

グレイスケールは、インフレが加速するにつれてビットコイン需要が大幅に増加すると予測し、ビットコインの希少性という特徴によって、そのユースケースが強化されるとみている。

このレポートでは、仮想通貨への関心の高まりを示すいくつかのチェーン上の指標を指摘している。取引所で保持されているビットコインの数は歴史的な低さにあり、これは短期的な投機的な保有ではなく、長期的な保有が増加していることを示唆している。

グレイスケールはまた、デイリーのアクティブアドレスが2017年の史上最高値以来の最高レベルにあることにも言及している。

量的緩和策が仮想通貨を強気に

グレイスケールのレポートは、米国が金融政策を緩和させることにより、資産バブルのサイクルを生み出していると指摘している。

グレイスケールは、米国経済が量的緩和策(米ドルの印刷)への依存度を高めていると指摘する。これはやめることが難しい中毒のようになっていることを示唆しているといえるだろう。米連邦準備制度理事会(FRB)が2018年に金融政策を逆転させると、米株式指数S&P500は3ヶ月で20%下落した。

「ほかの通貨に比べて構造的に強い」米ドルがあるにもかかわらず、「前例のない金融と財政の刺激策」の中でインフレを警戒する投資家が、拡大するマネーサプライから資産を保護する方法を模索していると、レポートは指摘している。そこで価値の保存手段として注目されているのがビットコインとなる。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン