グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)の流出量が過去数日間で過去最低水準に達している。

ビットメックス・リサーチのデータによると、GBTCは2月23日に4420万ドルの流出を記録し、1月11日に店頭商品から上場投資信託(ETF)に転換して以来、日々の流出量が最小となった。

1月末までには、GBTCは56億4000万ドルの流出を報告しており、1月22日だけでも6億4000万ドルの大幅な流出があった。2月は流出量が減少しており、これまでのところ18億ドルとなっている。GBTCは設立以来、合計74億ドルの流出を記録している。

一方、ブラックロックのIBITは運用開始以来66億ドル以上の投資を集めており、フィデリティのFBTCは47億ドル以上の資金を集めている。3位はARK 21シェアーズのARKBで、同期間に14億ドルの流入があった。

GBTC流出の背景

GBTCからの大幅な流出は予想されていた。1月10日に証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物ETFを承認したことで、GBTCの保有者は保有するシェアを換金して償還することが可能になった。従来、投資家はポジションを解消するために、セカンダリー市場でシェアを売却する必要があった。

アナリストによると、投資家は最近、ポートフォリオをリバランスし、手数料が低いビットコインETFに移行しているという。GBTCは年率1.5%の運用管理費用を徴収しているが、他の発行者は0.19%程度と低く設定している。

グレイスケールのビットコインファンドには、さらなる課題が待ち受けているだろう。破産した仮想通貨レンディング会社ジェネシス・グローバル・ホールディングスは最近、投資家への返済のためにGBTCのシェアを13億ドル売却する裁判所の許可を得た。

しかし、この巨額の流出は、グレイスケールの料金体系によって相殺される可能性がある。ETFストアのネイト・ジェラシー社長は、X(旧Twitter)で「資産が90%減少しても、他の発行者すべてを合わせたよりも多くの収益を上げることができる」と指摘している。