世界No1の取引量を誇るMy Crypto Heroes(マイクリ)など人気ブロックチェーンゲームと提携している株式会社スマートアプリが提供するウォレットアプリ「GO! WALLET」は、提供している各種機能をオープン化し、ブロックチェーンコンテンツ事業者へ提供するプラットフォームサービスとしてGO BASEをリリースした。

GO BASEは複合的な機能を提供し、ブロックチェーンコンテンツの品質と価値を高めることを目的としている。GO BASEを経由して簡単にブロックチェーンをコンテンツへ取り入れることで事業者は開発にリソースを集中させることが可能になる。 

サービスの原点はウォレットから

今回リリースされるGO BASEアプリに先駆けて2年ほど前からGO! WALLETが配信されている。このアプリはイーサリアム系トークンにフォーカスしたウォレットアプリで、仮想通貨取引所の口座を持っていなくてもMy Crypto Heroesやブレイブフロンティアヒーローズ、クリプトスペルズなどといった人気ブロックチェーンゲームに直接アクセスし利用できる点が特徴となっている。

また、GO! Point(GP)というポイント制度があり、ユーザーは広告を視聴したり買い物をすることで独自トークンを入手できる。GO! Point(GP)は仮想通貨に交換でき、無料で仮想通貨を増やせる点も魅力の一つだ。

さらには仮想通貨に関連する最新ニュースの配信ERC20およびERC721対応などの特徴を備え、日常での使用から本格的なウォレットとしての利用まで幅広くカバーしている。

GO BASEに引き継がれた後もこれらの機能は利用可能となっている。そしてGO BASEでは複数のウォレットの一元管理他のウォレットからのインポートなどの機能が追加されており、いままでにないコンテンツ提供者にとって、かゆいところに手が届くサービスになる。

GO BASEが扱うNFTとは?

GO BASEが扱うのはイーサリアムだけではない。ゲーム内通貨や後述の独自トークン、NFTなどもサポートする。

NFTはNon-Fungible-Tokenの略称で直訳すると代替不可能なトークンという意味になる。日本語では非代替性トークンと呼ばれ、金や土地のように固有の価値や独自性を保有するトークンを指す。

NFTはCryptokittiesという人気ブロックチェーンゲームから誕生した。ユーザーは仮想空間で一匹の猫を育成するという内容のゲームになっていて、それぞれのトークンが独自性を持っていることからNFTという概念が生まれた。

ゲーム内で入手したNFTはものによっては希少性があり、市場で高値で取引されることもある。過去にはCryptokittiesで「ドラゴン」と名付けられた猫1匹が600ETH(当時約1900万円)で購入され、過去最高値を更新した。

ゲーム内通貨やNFTと法定通貨を橋渡しするGO! Fiat

GO BASEの機能の一つにGO! Fiatというものがある。これはゲーム内通貨やNFTを法定通貨で決済できるプラットフォームだ。

ウォレット機能を提供するGO BASEが法定通貨決済プラットフォームも同時に提供することで、ユーザーはスムーズにコンテンツ専用通貨を購入できる。そして、購入したコンテンツ専用通貨はGO BASEのDapps対応ブラウザ経由で使えるため、一つのアプリで決済、管理、消費が完結する。

GO! Fiatを用いた法定通貨決済プラットフォームはすでに複数のブロックチェーン関連企業やDappsサービス事業者にて採用されていて、実用性も十分にある。

すでに5タイトルのブロックチェーンゲーム(DApps)に導入済み。また、導入予定パートナーも順次拡大中だ。

<導入済みパートナーコンテンツ>

・マイクリプトヒーローズ

・ブレイブフロンティアヒーローズ

・クリプトスペルズ

・コントラクトサーヴァント

・ヴィーナススクランブル

<導入予定パートナーコンテンツ>

・My Crypto Saga

・エレメンタルストーリー

・CHOJO –CryptoGirlsArena-

実際にGO! Fiatを導入するゲームは増加傾向にあり、2020年1月にはブレイブフロンティアヒーローズがリリース3ヶ月で累計取引高1億円を突破した。2月にはヴィーナススクランブルが対応している。そして、2019年9月からの半年間で購入金額が4518%購入回数が996%と急激に伸びている

ポイント制度によるインセンティブ設計

GO BASEには独自のポイント制度GO! Point(GP)が存在する。これはユーザーが何かしらの広告を閲覧したり、デイリーボーナスのような形で獲得できるポイントになっている。

ポイントをためるとイーサリアムと交換でき、無料で仮想通貨を増やせる魅力的なシステムだ。

今後はゲーム内でミッションをクリアするとポイントが付与されるような仕組みも検討している。お小遣い目的でGO BASEを利用しているユーザーにもブロックチェーンゲームに興味を持ってもらえるようにアプローチができる予定だ。

逆にゲームをメインに利用しているユーザーにもGO! Point(GP)の存在を知ってもらい、ゲームをプレイすることでポイントが貯まり、ゲーム内通貨に交換できる。このようなサイクルを繰り返していくことでよりゲームを楽しんでもらえるのではないか。

GO! Point(GP)を使ったインセンティブ設計はゲーム事業者に提供する専用アプリでもGO BASE経由でも実現可能となっている。

通知をパーソナライズドするGO! Push

GO! PushはGO BASEアプリに実装される予定のプッシュ通知機能である。ブロックチェーンゲームを含む従来のゲームアプリの多くはイベントのリマインドなど画一的な通知を行ってきた。GO BASEではこの通知を個々のユーザーに合わせて個別に送ることで利便性の向上を図っている。

具体的なプッシュ通知の内容だと「ユーザーが保有しているキャラクター(NFT)が市場でいくらで売れた」、「買いたかったキャラクターが市場に出品された」などが考えられる。

既存のプラットフォームではフリマアプリがGO BASEのイメージと近いプッシュ通知を行っている。GO BASEはこれをブロックチェーンゲームに落とし込むことでユーザーがより快適に利用できる環境を構築していく。

ゲーム間の垣根を超えたプロフィール機能

GO BASEには複数のブロックチェーンゲームをサポートするウォレットだからこそ実現可能なプロフィール機能がある。それがGO! Personalだ。

それぞれのウォレットに割り当てられたアドレスごとにアバター画像やプロフィールが作成できる。これはゲーム内のみで完結するものではなく、GO BASEがサポートする複数のDappsに跨って共通し、画像など一部の情報はNFT化される。

ユーザー同士が別々のゲームをプレイしていたとしても、GO! Personalのプロフィールを見ればその人の趣味嗜好が把握できる。GO! Personalはユーザー同士のコミュニケーションをより円滑にすることを目的としている。

GO BASEによるブロックチェーンゲーム化

ブロックチェーンに関する専門的な技術がなかったとしても、GO BASEを活用すれば既存のソーシャルゲームのブロックチェーン化が可能になる。

既存のゲーム事業者もゲームそのもののシステムが整っていれば決済などの外側のシステムはGO BASEで補うことができる。具体的な手順としては、ブラウザベースのゲームであればキャラクターをNFTとして扱うシステムを導入する方法があげられる。

完全にブロックチェーン化するのではなく、今までと同様に課金はクレジットカードで行い、キャラクターデータをNFTとして発行する。これによってユーザー側からすると大きな変化なくGO BASEのシステムを導入できる。一方でキャラクターデータはNFTとして取引でき、ブロックチェーンゲームの要素を併せ持つ。

もちろん完全にブロックチェーンゲーム化することもできる。その場合はこれまでのキャラクターデータをNFTのコントラクトにコンバートする、GO BASEの提供するAPIを組み込んで運用するなどの手順が必要になってくる。

GO BASEを活用してブロックチェーンゲーム化することですでにサービス提供が終了してしまったゲームの復活ということも実現できるかもしれない。また、ゲームに限らずアニメや漫画など版権が関係してくるサービスと親和性が高く他の分野でも実用化の道を探っていきたい。 

すでにブロックチェーンゲーム業界では運用例も

GO BASEのシステムはすでに複数のブロックチェーンゲームにて採用されている。運用する上で有効活用されているのが各ゲームごとの購買傾向などのデータだ。

ブロックチェーンゲームはオンチェーンに情報が記録されていくため、個別の決済データやトランザクションは誰もが閲覧することができる。しかし、GO BASEはこれらの情報を集計し、ユーザーの決済のタイミングやよく使われるアドレスなどの傾向をゲームごとに算出している。

ゲーム事業者はユーザーの傾向を把握し、セール時に参考にすることでより効率的なマーケティングが可能となる。

さらには、ゲームのページを開いた、アプリを起動したなどオンチェーンに載っていない情報も収集できるためカスタマーエクスペリエンスの向上にも役立てられる。

GO BASEをうまく活用することでゲーム事業者はサービス開発にリソースを集中でき、継続的に高品質なサービスの提供が可能になる。

今後はクロスプラットフォーム化に注力

GO BASEの今後の展開としてはクロスプラットフォーム化を進めていく予定だ。これまではiOS、Android向けにウォレットアプリを提供してきたが、今夏を目処にPCに対応したウォレットのリリースも計画している。

また、ゲーム事業者に対してはSwiftやJava、Unityに対応したGO BASEのSDKを提供できるように準備を進めている。スマホとPCどちらの端末からも全てのサービスを利用可能にすることで統合的なウォレットサービスとして初のクロスプラットフォーム化を目指す。

一方で長期的な展開としてはビットコインへの対応と機能の充実を予定している。現在はイーサリアムにのみ対応しているが、より知名度の高いビットコインを採用することで新規ユーザー獲得の間口を広げたい考えだ。

機能の充実という面ではウォレットに投資機能を付加することを検討している。昨今ではブロックチェーン業界に限らずLINEなどのSNSでも投資機能が追加されている。GO BASEはこの流れを汲み取り、BlockFiのようなサービスの提供をイメージしている。

最終的にはより多くの通貨をカバーし、投資機能も含めた総合的な金融系サービスを目指していく。

ブロックチェーンサービスの価値を迅速に最大化していく

GO BASEはDapps対応のイーサリアムウォレットとして始まり、ゲーム事業者のブロックチェーンゲーム化を支援する存在に成長した。ウォレット機能に加えて様々な機能を提供することでユーザー側の利便性の向上も実現している。

2年前にリリースしたGO! Walletアプリおよびゲーム事業者に提供している専用アプリの合計ダウンロード数はおよそ10万となっており、順調に増加している。記事執筆時点では国内外の50以上のブロックチェーンサービスと提携しており、ウォレットとしての基盤は固まっている。

今後はPCに対応しクロスプラットフォーム化する他、投資機能を含めた総合的な金融サービスという形を目指していく。

iOS向けGO! Walletアプリはこちらから、Android向けはこちらからダウンロード可能となっている。

それ以外にゲーム専用アプリのダウンロードは以下にて可能だ。

GO! マイクリ>

iOS版:https://apps.apple.com/jp/app/id1488434897?l=ja

Android版:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.smartapp.gowallet.mch

GO!ブレヒロ>

iOS版:https://itunes.apple.com/app/id1494874214?mt=8

Android版:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.smartapp.gowallet.bfh