ジブラルタル証券取引所を運営するGSXグループは5月7日、「スマート証券」やトークン化された資産を作成・展開するためのプラットフォーム「GRID」の提供をエストニアで開始したと発表した。
GRIDは、新規・既存の債権やファンドのトークン化を容易にし、GRIDの第2フェーズで株式にも対応するという。同プラットフォームでは、各デジタル証券を支えるためにカスタマイズしたスマートコントラクトも可能になるそうだ。
GSXグループが資産トークン化プラットフォームを開始
コインテレグラフに対し、GSXグループ最高経営責任者のニック・コーワン氏は、GRIDの詳細とトークン化された証券市場についての予測を明らかにした。
コーワン氏は、GRIDについて「『スマート証券』と呼ぶ、トークン化されたデジタル証券の作成・展開の場」を含む、「2018年に開始した段階的な開発アプローチの第1ステップ」と説明した。
GSXグループは、ジブラルタル、ロンドン、シンガポール、香港でオフィスと取引施設を運営しているという。同社は、トークン化された証券エコシステムが拡大し、エンド・ツー・エンドの取引所を特徴とする「複数地域をまたぐ相互運用性」を提供することを想定しているそうだ。
コーワン氏は「これは、GSXグループのスマート証券システムの主な利点だ」と述べ、「資本市場におけるビジョンの一部だ。GRID上での発行後、トークン化されたデジタル証券は、関連規制当局の許可と適格条件のもと、GSXグループの対応取引所における取引を認められる」とした。
GRIDを利用し作成されたEUベースの商品は、ジブラルタル証券取引所への上場を申請できるそうだ。
今後の5年間は分散型台帳技術の普及にとって重要
コーワン氏は、トークン化された証券とブロックチェーン技術が資本市場にもたらす重要なメリットが、今後5年間で機関投資家への普及を促進するだろうと考えているそうだ。
同氏は次のように述べた。
「どのような破壊的なテクノロジーであれ、『普及』は克服すべき最大の障害だ。しかし、資本市場セクターにとってのメリットは非常に大きく、発行体、機関投資家、投資家、ブローカー・ディーラー、メンバーファームなど、資本市場部門のすべての参加者が、詳細に検討するようになると考えている」
コーワン氏は、セキュリティトークンが従来の証券セクターに年間3000億ドル(約32兆円)のコスト削減と効率化をもたらすと推定しているそうだ。これは、「資金提供済みの環境で市場参加者に放出される資本」に追加されるものだという。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン