ルクセンブルクに本拠を置く金融企業、ブラックマンタ・キャピタル・パートナーズは19日、ドイツ連邦金融監督庁(BaFIN)から、セキュリティトークン・オファリング(STO)プラットフォームのライセンスを取得したと発表した。同社は今後、欧州の顧客を対象とし、19年第4四半期にセキュリティトークンのプラットフォームを立ち上げる計画だ。

ブラックマンタのドイツ子会社がBaFinから承認を受けた。今回のライセンスは8月1日に付与され、申請から承認まで9ヶ月かかったという。

同社のSTOプラットフォームは「セキュリティトークン」を提供する。これは、不動産などある特定の資産に対する権利をデジタル上で保証するトークンだ。セキュリティトークンは、セキュリティートークンは小口での発行ができるため、小規模な一般投資家にとって新しい投資機会が生まれるといわれている。また中小企業にとっても、新たな資金調達になるとみられている。

ドイツでのセキュリティトークンの規制は、EUの「MiFID II(第二次金融商品市場指令)」と規制で行われている。今回、MiFID Ⅱのラインセンスを取得を受けたことで、EU全域でライセンスが有効となるという。

ブラックマンタ社は19年第4四半期に独自プラットフォームでセキュリティトークンを提供したいとしている。

アジアでもライセンス取得目指す

またブラックマンタは今回ライセンスを取得した企業とは別に、投資プラットフォームを立ち上げる考えだという。

「ベルリンの認可事業体とは別に、弊社はウィーンのBMCPコンサルティングおよびマルタのBMCP社を通じて投資プラットフォームの市場投入を推進していく」

さらに、シンガポールではブラックマンタ・アジアを設立し、シンガポールの規制当局にラインセンス申請を行うという。

「ブラックマンタ・キャピタル・パートナーズは当初から『ブティック』となり、厳選されたSTOのみを取り扱いたいと考えており、グローバルな展開を戦略として打ち出していく。最初のステップはブロックチェーン基盤の投資プラットフォームで欧州とアジアをリンクさせることだ。そのため、シンガポール進出に向け調査を行っている」

ドイツでは今年7月、スタートアップ企業のファンダメント(Fundament)がBaFINから不動産を担保とするセキュリティトークンの発行が承認された。ファンダメントのトークンはERC-20を使って発行され、2億5000万ユーロのトークンを発行する計画だ。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版