ドイツの鉄道会社、ドイツ鉄道(DB)が18日、ブロックチェーン統合プラットフォームのユニブライトと提携し、エコシステムのトークン化の可能性を検討することを明らかにした

ヨーロッパ最大の鉄道事業者とされるドイツ鉄道が、同社資産のトークン化の可能性を検証するため、ユニブライトに社内組織の立ち上げを依頼した。分散型ソリューションにより、運用コストの削減や、旅行業界の他企業との交流促進を実現できるか検討を始める。

ユニブライトは、ブロックチェーンにより、マイル、サービス、ケータリング、ホテル予約、国内交通といった、旅行に関するさまざまな分野をつなぐことができるかどうかを概念実証(PoC)で検証する。

この計画を実現するためには、旅行における各要素をトークン化する必要がある。PoCでは、エコシステムの相互運用を可能にするため、顧客はトークンを売買したり他のサービスと交換することができる。さらに、トークンの発行者は、マイルに応じてトークンを付与するなど、常連客への報酬としてトークンを利用することができる。

ユニブライトは、NEMプロトコルと独自開発のフレームワークに基づくエコシステムの構築を提案している。このシステムでは、トークンは、旅行、食べ物、宿泊などのクラスターに分類され、特別な技術がない人でもこのネットワークを監視できるという。

今回の社内組織の立ち上げがすぐさまブロックチェーン技術の実装につながるわけではないが、ドイツ鉄道の販売部門の責任者を務めるアクラム・シウド氏は、ブロックチェーンを導入することにより、「さまざまなサプライヤーのサービスを個別に受け入れられる可能性が高まり」、新たな流通経路を構築できるようになると述べる。

スイス国鉄もまた、11月にブロックチェーンの試験事業を実施している。同社は、紙ベースの情報管理システムの効率化に向け、ブロックチェーンを活用した「自己証明型」身分証明管理システムのPoCを完了した。