国際決済銀行(BIS)のアウグスティン・カルステンス総支配人は、ビットコインが「バブル、ポンジスキーム(出資金詐欺)、環境的破壊の複合体」とし、各国の中央銀行総裁に仮想通貨に対する規制をより強化するよう求めた。2月6日に行われたゲーテ大学での講演の中で述べた。

 BISは「中央銀行の銀行」として知られており、世界の中央銀行と国際機関に対してのみ銀行業務を行っている。

 メキシコ中央銀行総裁在任中の17年8月、カルステンス氏は、ビットコインは通貨ではなく商品であり、サイバー犯罪に利用される恐れがあるとして警告を発していた。

 カルステンス氏の見解では、仮想通貨に対する世界的な関心はただの「投機的なブーム」に過ぎず、それ故中央銀行による厳格な規制が必要としている。

「もし、当局が先制行動に出なければ、仮想通貨はさらに現行の金融システムに深く関与することとなり、金融の安定に対する脅威となるだろう」。

 カルステンス氏は、ビットコインが不法取引に利用される可能性があまりにも高く、現行の金融システム下にある金融機関がそれに関わることを認めることはできないとの考えから、いくつかの銀行がビットコイン用ATMの運用を開始することに対して「警戒感」を示している。

「もし、唯一の『ビジネスケース』が不法取引や違法取引である場合には、中央銀行はそのようなトークンが、現行金融システム全体が利用しているインフラ設備に大幅に依存することや、我々が築いてきた信用に寄生するようなことを認めるわけにはいかない。」(カルステンス氏)