米ドルにペッグされたステーブルコインのテザー(USDT)の取引所での交換価格が1ドルを割り込んだという15日のニュースの後、起業家ウィンクルボス兄弟の「ジェミニ・ドル(GUSD)」の取引高が急増した。

コインデスクによると、取引高で第9位の仮想通貨取引所Bibox(※)では、ジェミニドル(GUSD)が全取引のシェアの96%を占めた。テザーのニュースの後、同取引所のGUSDペアの取引高は2倍に跳ね上がったという。一方で、USDTペアは70%下落した。

BiboxがGUSDのサポートを開始したのは9月末で、同コインを上場させた最初の取引所だ。テザーには裏付けとなる準備金が不足しているとの疑惑は以前からあるが、古くから存在するステーブルコインの人気は根強い。Bibox共同創業者のAries Wang氏は以下のように話した。

「USDTは取引高でいまだに他のステーブルコインを上回っている。USDTの取引高は5000万ドルから下落したが、GUSDは多くて200万ドルだ」

現在GUSDを扱っている仮想通貨取引所は6カ所で、うちBibox、 OKEx、HitBTCの3カ所のみが24時間の取引高が10万ドルを上回っている。

また、コインデスクの以前の報道によると、テザー以外のステーブルコイン需要が高まっており、GUSD価格も1.09ドルとなり、1ドルを維持できていないという。

テザーが1ドルを割ったというニュースの後、取引所は競うように別のステーブルコイン取り扱いを発表した。取引所フォビは19日から「パクソス・スタンダード(PAX)」、「トゥルーUSD(TUSD)」、「USDCoin(USDC)」、「ジェミニ・ドル(GUSD)」の取り扱うと発表。パクソス社は過去1ヶ月で5億ドルほどPAXを発行したと明らかにしている

※Biboxは2017年11月にオープンした仮想通貨取引所。取引所独自のトークンであるBIXを始め多数のアルトコインが上場されている。