仮想通貨取引所ジェミナイが、シンガポールの中央銀行から同国でのサービス提供に関する予備承認を受けた。
10月29日、シンガポール金融管理局(MAS)はジェミナイに対し、メジャー・ペイメント・インスティテューション(MPI)ライセンスの予備承認を与えた。これにより、デジタル決済トークンや国際送金サービスを提供することが可能となる。
ジェミナイは発表で、予備承認の取得はアジア太平洋地域での事業の中心地であるシンガポールにおける重要な節目だとした。同取引所は、MPIライセンスの最終承認取得に向けて引き続き取り組むと述べた。
シンガポールに注力
ジェミニのアジア太平洋部門責任者サード・アーメド氏は、シンガポールでのユーザーのニーズに応じたローカライズされたサービスの提供に一歩近づいたと報告で語った。
アーメドは「米国が最大の市場であり、グローバル本社である一方、アジアと特にシンガポールは我々のグローバル戦略において重要な役割を果たしている」とした。また、シンガポールに拠点を置くジェミナイのチームが拡大しており、さらなる人材を求めているとも語った。「ジェミナイのローカルチームの成長に対応するため、より広いオフィススペースへの移転を進めている。これはシンガポールへの長期的なコミットメントの証だ」とアーメドは付け加えた。
ジェミナイがMPIライセンスを完全に取得すれば、同国での決済機関の取引量制限が撤廃される。ライセンスを取得した企業は、決済サービスの220万ドルの取引量制限を超えることができるからだ。また、2つ以上の決済サービスに対する月間440万ドルの制限を超えることも可能になる。
ジェミナイが承認されれば、コインベースやリップルなど、以前にシンガポールで完全なMPIライセンスを取得したアメリカの企業と並ぶことになる。
2023年10月2日、コインベースは完全なMPIライセンスを取得し、リップルは10月4日にMASから完全なライセンスを受け取った。
Major payment institution license benefits in Singapore. Source: MAS